良ければ、先にこちらをどうぞ
【目次】 『姫巫女と風使いの少年(仮)』シリーズ 【作品紹介】
http://short2story.blog.fc2.com/blog-entry-299.html
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鬼の話なんて眠る前にしたからだろうか?隼(はやて)はその夜、なかなか寝つけなかった。

「きっとあれだ。凪(なぎ)の冗談がすぎて、気が高ぶったんだ!ちくしょう!」

まだ胸が早鐘(はやがね)を打っているような気がする。兄の凪は鬼の話をして弟を怖がらせたことに満足したのか、すでに隣りで心地よい寝息を立てていた。

「鬼なんて、くそくらえ!」

自分の心の弱さを認めたくなくて、隼は一人呟いた。琥珀色の月が優雅(ゆうが)に彼を見下ろしている。ふと思い出し、彼は兄からもらった勾玉を取り出した。兄の言葉が気になっていた。

― 俺はこれから里長の下について里のために動くことになる。一番に里のことを考えなくちゃいけない。親の意志は継げないんだ。だから、それはお前にもっててもらいたい ―

「今さら形見分けなんてらしくないよ、凪…」

― 親の意思?平和に暮らせっていうことかな。ふたりは戦に巻き込まれて死んじまったから ―

「俺だって、もう平和には暮らせないよ。忍びの者として、ようやく一人前になったんだから。俺は凪についていくよ、どこまでも…」

ひんやりとした勾玉を胸に抱く。不思議なことに、だんだんと心が落ち着いてきた。隼は安心して、ゆっくりと夢の世界に誘(いざな)われていった。

「…ようやく眠ったか」

弟が眠りについたのを見届けると、隣りにいた青年は静かに起き上がった。たき火に眠り薬のしこんだ香(こう)を放っていたのに、ずいぶんと時間がかかってしまった。弟も初仕事に警戒(けいかい)をゆるめなかったのかもしれない。ほめてやりたかったが、もうそんな暇(いとま)はなかった。

「ごめんな、隼。一人にして。でも、お前ならきっとわかってくれるな」

彼は立ち上がり、後ろの茂みに向かって声をかけた。

「そこにいるんだろう?さっきは驚いたぜ。俺の弟を襲いやがって。そんなに喰いたかったのか、『鬼』さんよ?」

茂みから『鬼』が姿をあらわした。得体のしれない邪悪な者は、妖しく笑った。

― いいのか?別れを言わなくて。この少年、きっとそなたを恨むぞ? ―

「上等だ!欲のない奴は、恨みや憎しみを抱えれば生きていけるってもんさ」

青年は笑った。その目に涙は、なかった。

「俺は行かなくちゃいけない。さようならだ、隼…」


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=影響を受けた作品のご紹介=
ここでは上の拙い物語がたぶん影響を受けたんじゃないかと思われる作品をご紹介します。 お時間や興味のある方はどうぞ~。

しばらく影響を受けた作品紹介を省略します。書くピッチあげたくて。読み返してないので、物語のデキもずいぶんと雑になってそうで申し訳ないです。すみません。今は書くことに、声を聞くことに集中。

★ 明日香(from天地雅楽)『時空の風』 ★
http://nicoviewer.net/sm11517920

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コメント

えーえー、なんですかこの展開はrurubuさん?
さっきつかまれたのはアニキじゃなくて、鬼だったのですか。
アニキは清琉を救った・・・?

そしてそして、さよならだなんて、ちょっとちょっと、rurubuさん(No.2)?
まだまだこれからアニキに教わることたくさんあるはずなのに・・・でしょ?
一人放たれてしまう清琉、これからどうなるのでしょう・・・
けい│URL│05/20 18:56│編集
けいさんへ
いつも本当にありがとうございます!

> えーえー、なんですかこの展開はrurubuさん?さっきつかまれたのはアニキじゃなくて、鬼だったのですか。アニキは清琉を救った・・・?そしてそして、さよならだなんて、ちょっとちょっと、rurubuさん(No.2)?まだまだこれからアニキに教わることたくさんあるはずなのに・・・でしょ?一人放たれてしまう清琉、これからどうなるのでしょう

そうなんですよ、けいさん!実はアニキだったんです。アニキ謎なんですよ、けいさん(No.2←まねっこ^^)。ここらへん、なんか勢いで一気に書いてしまったんですけど、内容的に急展開な感じになってないか、あとで心配で心配で…。大丈夫でしょうか?自分で不安になってしまい、この後、続きを少し書いたもののちょっとストップかけてしまったんですよね。何かおかしなところがあったら、気にせず言って下さいね^^


rurubu1001│URL│05/21 02:59│編集
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