大学生の、特に野郎だけの飲みなんて、他人から見れば「アホだろ?」とつっこみたくなるようなも内容のものかもしれない。

終電を逃して、安い居酒屋チェーン店で一晩明かす。グダグダ、ダラダラ、マッタリ。グビグビ。沈没(不覚…)。その繰り返し。今夜の俺たち3人も御多分もれず、そのいい例だろう。

夜更け。話しも尽き、目がすわってきた頃、俺はみんなにネタを提供してやった。

「…ドイツが生んだ有名な物理学者、アインシュタインはこう言いました」
「は?」
「 『 神はサイコロを振らない 』 さあ、これはどういう意味でしょうか~?」

みんな酒を飲む手をとめ、俺を見つめた。

「どうしたの、富山(とみやま)?」
「急に、真面目な顔して。何を言い出すかと思えば…」

俺は友人ふたりに打ち明けた。

「実は、彼女に無理難題出されちゃってさ。お泊り旅行したいなら、この意味を当てなさいって言われて」
「富山の彼女、リケジョだっけ?」

と、この中で一番モテるだろう男・雰囲気イケメンの筑波(つくば)がたずねる。

「そそそ。理系女子のリケジョ様」

俺の彼女は良いとこの理系の大学に通っている。それに比べ、俺は三流大学の平凡な学生だ。頭の良さと気の強さは比例するのか、彼女と俺は恋人同士だけど、『彼女>俺』という力関係が存在する。まあ、ホレた弱みもあるかもしれないけどね。

「いや~、女の方が優秀だと男って立場、弱くなるよな。しょうがない。富山のために俺たちがひと肌、脱ごう」

そう言ってくれたのは、やたら人に恩をきせたがる男・脇田(わきた)だ。

「俺にまかせろ!グー○ル先生で一発だ!」

そう言って、脇田はスマホをかかげる。ちょっと待て!

「脇田、ストップ!調べちゃいけないって、彼女から言われてんだよね。自力で頑張れってさ」
「じゃあ、俺たちに聞くのもマズイんじゃ…」
「それは大丈夫。『同じ大学の人たちなら、たかがしれてる』って言われた」

ふたりは眉を寄せた。

「相変わらず、失礼な子だな」
「…お前、よくそんな子と付き合ってんな」

よく言われる。でも、そんなに悪い子でもないのだ。出会いの合コンで酔いつぶれた俺を文句を言いいながらも、最後まで介抱してくれた。向こうは数の埋め合わせで来ただけと後で知り、そんなに楽しい飲みではなかっただろうに。困ったやつ程、ほっとけない。そんな子なのだ。

「彼女と付き合い始めて、はや3か月。そろそろ手を出してもいいんじゃないかと富山は考えたんだな」
「ひっかかる言い方だなー。まあ、間違ってはいないけど」

俺も男ですし。

「俺ら理系じゃないからな~。アインシュタインがどうこう言われても…。べえーって舌出してるくせになぜか偉大なジジイだろ?くらいしかなあ」

脇田の言葉に頷きつつ、隣りの席で酔っぱらったジジイを発見。舌を出してるけど、あのジジイも偉大なのかな?

「きっと、アレだ。サイコロなんて振って遊んでるような暇人じゃない!とでも言いたいんじゃないか?」

顎の無精ひげを撫でながら筑波がそう言った。俺はため息をついた。

「…遠回しのお泊り拒否か。へこむな、それ」

それを聞いた脇田が腕を組んだ。

「んじゃあ、『サイコロなんて重いもの、振れないから。あきらめて』とか?」
「箸も重くて、もてない…みたいな?神様、嫌なやつだな」と、筑波。
「どっちにしろ、断られてるじゃん」と、俺。

本当そうなら、マジへこむわ~。

「…待て待て。そうと見せかけて、実はお泊りOKサインだったりするかも。…案外、こうじゃないか?神(彼女)はサイコロなんて振らない。なぜならサイコロを振るのは、お前(富山)だからだーっ!!って」

脇田の新たな意見に俺は拝みたくなった。神様、なんてカッコいいんだ!

「…急に神様と彼女が男前になったな」と、笑う筑波。
「悪くないだろう?」と、自分の答えに酔いしれる脇田。

俺は、ビールジョッキを片手に立ち上がった。

「きっと、それだ!そうに違いない!ありがとう、お前ら!それじゃあ、アインシュタインに敬意を払って乾杯だ。アインシュタインはドイツだから、ドイツと言えば…アレかな?」
「アレだな」
「アレだね」

似た者同士、考えることなんて『たかがしれてる』

「ドイツと言えば…!」

俺たちは声を合わせた。

「 ビールとソーセージ!!(乾杯☆) 」

テキトーな乾杯の音頭。重なるジョッキの音。酔っぱらってるせいか、それがやけに気持ち良かった。

「なんか急に食いたくなったな~、ソーセージ」
「筑波も?俺も俺も!」
「脇田もか。なあ、富山は?」

ありがとう、アインシュタイン!

「…富山、聞いてる?」

俺、たぶん今めっちゃ『神に祝福されてる』ってやつかもしれない。

「…ダメだ。こいつ、全然聞いてねー」
「きっと頭がお花畑なんだよ。筑波、気にせず頼んじまえ。ビールも一緒に。いっぱい飲ませて、ここは富山に奢ってもらおうぜ!」

神様、俺はサイコロを振ってみせます!!

「店員さーん、すみませーん!追加でソーセージの盛り合わせとナマ3つ、お願いしまーす」

     *

大学生の、特に野郎だけの飲みなんて、他人から見れば「アホだろ?」とつっこみたくなるようなも内容のものかもしれない。

「…ドイツが生んだ有名な物理学者、アインシュタインはこう言いました」
「は?」
「 『 神はサイコロを振らない 』 さあ、これはどういう意味でしょうか~?」

みんな酒を飲む手をとめ、俺を見つめた。

「まさか富山?」
「急に、真面目な顔して。何を言い出すかと思えば…。前と同じネタってことは…」

俺は、ビールジョッキを片手に立ち上がった。

「次こそは、絶対答えを当ててやるっ!」

それを聞いた友人ふたりは…。

「当てるまでエンドレスなの、これ?(マジか~)」と、うんざり顔の筑波。
「っていうか俺たちの場合、考えれば考えれるほど、答えから遠のくんじゃ…?(助けてグー○ル先生!)」と、途方に暮れる脇田。

そんな彼らの思いは露知らず…。

「待ってろよ、彼女とアインシュタイン!!」

と、なぜか舌を出すじじいに囚われた彼女を想像し、夜更けに闘志を燃やす俺だった。


=====================================

【 神はサイコロを振らない 】
不確定性原理への反論に使っていたアインシュタインの言葉。
意味:運命は最初から決まっている。必然。

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=影響を受けた作品のご紹介=
ここでは上の拙い物語がたぶん影響を受けたんじゃないかと思われる作品をご紹介します。 お時間や興味のある方はどうぞ~。

★ ドラマ『神はサイコロを振らない』 × Oasis『Roll With It』 ★

私の物語はかなりふざけてますが、この言葉を教えてくれたドラマは感動作ですよ。

① ドラマ『神はサイコロを振らない』
http://www.ntv.co.jp/saikoro/
https://www.youtube.com/watch?v=ZEHDTViN4JY
忘れられないドラマ。10年前、飛行機事故で死んだと思っていた恋人と親友。でも、彼らは10年の時を越えて現代にやってきます。どうやら時空をこえてきたらしい。でも、再会の時間はあまりに短いものでした…。小林聡美&ともさかりえ共演作。「すいか」からいいコンビの大好きなふたりです。

②Oasis『Roll With It』
https://www.youtube.com/watch?v=6XQzm0WlRcg
唯一ライブに行けた洋楽アーティスト。この曲、好きなんですよね。

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コメント
こんにちは
あ、このドラマ見たことあります。
こんなタイトルでしたっけ。毎回楽しみに見てたはずなのに、肝心の最終話が思い出せない・・・><

アインシュタインのあの言葉を、理系の彼女は何と解いてほしかったんでしょうね。
富山くんに不確定性原理は分かるはずないし。
やっぱり、運命・・・そう言う答えを待ってたのかな^^

男の子たちの飲み会の話って、聞いていて可愛いですよね。
くだらないけど、どこか幼くて。
lime│URL│12/07 11:14│編集

大学生の、特に野郎だけの飲み会なんて、ツボツボです。
次の日、ドロドロのまま講義に出てくる感じ。
来なくていいよ、って線目を送る同じゼミの女子。
グビグビに酒が飲めるところが高校生とは違うところ。
男ですから、のトピックもある程度表ざたにできる。
やっぱ大学時代は良いなあ。
このあと、徹さんと田島を呼び出して、カラオケに行きません?

リケジョの彼女に門前払いされた(?)富山くんは、経済かな。
ふふ。リベンジ、頑張ってね。
けい│URL│12/07 14:13│編集
lime さんへ
コメントありがとうございます!

> あ、このドラマ見たことあります。こんなタイトルでしたっけ。毎回楽しみに見てたはずなのに、肝心の最終話が思い出せない・・・><

おお、ドラマご存知でしたか。視聴率はそんなによくなかったみたいなんですけど、なかなか素敵なドラマでしたよね。最終話は確か…切ない感じの終わり方だったと思います。でも、もしかしたら希望もあるみたいな^^

> アインシュタインのあの言葉を、理系の彼女は何と解いてほしかったんでしょうね。富山くんに不確定性原理は分かるはずないし。やっぱり、運命・・・そう言う答えを待ってたのかな^^男の子たちの飲み会の話って、聞いていて可愛いですよね。くだらないけど、どこか幼くて。

男子たちの話ってきいてるとちょっと面白いですよね。かわいいかんじもあって。それにしても、私も書いてて、はて結局彼女はなんと解いてもらいたかったんだろうとなりました(苦笑)。limeさんの運命案いいですね!そうといてもらいたかった彼女は乙女でまたカワイイなあ^^
rurubu1001│URL│12/08 02:49│編集
けいさんへ
いつも本当にありがとうございます!

> 大学生の、特に野郎だけの飲み会なんて、ツボツボです。次の日、ドロドロのまま講義に出てくる感じ。来なくていいよ、って線目を送る同じゼミの女子。グビグビに酒が飲めるところが高校生とは違うところ。男ですから、のトピックもある程度表ざたにできる。

おお、ツボツボありがとうございます!そうなんですよね、ドロドロとしていてまわりの人たち(特に女子?)が嫌な顔をしているっていう…一緒に参加すると、きっと楽しいんでしょうけど、男女が混ざってるとまた違ったものになってしまいますよね^^

> やっぱ大学時代は良いなあ。このあと、徹さんと田島を呼び出して、カラオケに行きません?リケジョの彼女に門前払いされた(?)富山くんは、経済かな。ふふ。リベンジ、頑張ってね。

富山君、経済っぽいのかも…?(経済の人すみません)ああ、ぜひ彼ではなく私がその飲み参加したいです!(笑)徹さんのとなりと田島くんの生歌をぜひ!!^^
rurubu1001│URL│12/08 02:58│編集
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