※良ければ、先にこちらをどうぞ。
【目次】 淑玲『宮廷浪漫』シリーズ 【作品紹介】
http://short2story.blog.fc2.com/blog-entry-253.html
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「それは、面白そうですね。いいでしょう。淑玲、あなたのいる、この二日間はそれでやりましょう」

とりあえず、講義はこの方法で乗り切ろう。でも、これではまだみんなに私は認められないだろうな。学問以外の手も打たなきゃ…。なんとか知恵を絞って成功法を見つけ出さないとね…。


「…ただし組分けは私に決めさせて下さいね。さあ、みなさん。席がえをしましょうか!」

先生が微笑んで私を見つめていた。

え?

戸惑う私を、私たちを見て、先生はさらに微笑んだ。 やられた!と思った。

「どうして、俺が女と組まなきゃいけないんだよ!」

見るからに俺様気質の少年がその三白眼で私を睨みつける。

「しょうがないよ。先生が決めたんだから」

それを宥める色白の少年の目も、口調に似合わず冷たい。

「…よ、よろしくね」

とりあえず私は彼らの心証をよくするため、笑顔で挨拶をした。まあ、顔がひきつってないことを祈るばかりですけど…。

「うぜー!!女がしゃしゃりでんな!うぜー!!」

どうやら、さっき私を思い切り攻撃してきてくれたのは、この子のようだ。名前は幻影(いりゅう)。16歳。口が悪いやつは、性格も悪いのだろうか。…ったく、うざいうざい、うるさいな。そういうこと言うあんたが一番うざいよ!と言いたいのをグッとこらえる。

彼の出身は花街。そこを取り仕切る組合の長(おさ)の息子だそうだ。なんだか妙に納得…。彼の三白眼は「暴力で落とし前つけるぞ、こら」と語っていて、人を威圧するにはもってこいだからだ。

ちなみに花街というのは大人が遊ぶ歓楽街のこと。私たちの住む商店街が蹊国(けいこく)の首都の顔、光りの部分だとすれば、花街はその裏の顔、闇の部分。どうやら、合法的ではない、公にできないこと(犯罪?)が行われているとの噂あり。気のせいか、商店街仲間の同情的なまなざしを背中に感じた…。

「女の子はここにいないで、大人しく家に帰った方がいいんじゃないかな?」

優しい口調なのに、幻影(いりゅう)のとなりにいる少年の言葉もどこか辛辣だ。外見は色白できれいな顔立ちなのに、目に獰猛さを秘めている。なんとなく白蛇を思わせる風貌。名前は菊恭(きっきょう)。17歳。こちらも花街出身。花街一の金貸し業の息子だそう。

「さっさと帰れ、女!つうか、消えろ!目障りだ!」と、幻影(いりゅう)。
「目障りなんてそんな…まあ、いないにこしたことはないよね」と、菊恭(きっきょう)。

わー、ふたりとも素敵な歓迎をどうもありがとう…。糸目になりそうな私を励ますように、誰かが肩をたたいた。

「よろしくね、淑玲!」

この面子の中で、唯一仲間の珠露(しゅろ)だった。

「よろしくね(ありがとう)、珠露」

珠露の笑顔がまるで天使のように見える。珠露のいる4人組で助かった…。思わず拝みそうになると、珠露は吹き出した。

「大丈夫だよ、淑玲。それにしても先生、やってくれたね」

その台詞に、思考を再起動させる。私はこっそり囁いた。

「やっぱりそうなのね。わざわざ先生、私のためにそろえてくれたんだ、このふたり」

先生が無駄なことをするとは思えなかった。するからには、何かしら意味のあることに違いない。珠露は頷いた。

「先導するリーダー格の人物がいて、そいつらが淑玲を追い出そうとすれば、まわりはそれにならうからね。ここの塾生はざっと商店街組と花街組の2つに分けられる。花街組の人数少はないけど、親の後ろ盾(バック)があるから。商店街組はそれがこわくて彼らにしたがうしかない」

私はため息をついた。先生はうまいこと、幻影(いりゅう)と菊恭(きっきょう)…つまり先導者(リーダー)である彼らを、私の前にそろえてくれた。『 時間がないだろうから、こちらで面子はそろえておきました。じゃ、あとはしっかり!』 と言うところか?

やられた!

「彼らをうまく攻略しろってことね…」

でも、やられた!なんて撤回すべきかもしれない。私を毛嫌いする先導者(扇動者?)を探す手間が省けたんだから。逆に感謝しとくべきだろうか。勢いよく顔を上げると、当の本人と目が合った。

『 さあ淑玲、腕の見せ所ですよ?』

拳に力が入る。なんだか先生にそう言われたような気がした。


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=影響を受けた作品のご紹介=
ここでは上の拙い物語がたぶん影響を受けたんじゃないかと思われる作品をご紹介します。 お時間や興味のある方はどうぞ~。

★ YUKI『You've got a friend』 × すもももも『後宮デイズ』 ★

なんとか12月中に淑玲を宮廷に戻せればいいなあと思っていたのですが、いつの間にか12月後半に突入していました。回想の俊楽堂編がこんなに長くなるとは…。

① YUKI『You've got a friend』
http://nicotter.net/watch/sm16721636
YUKIを聞いていれば、淑玲の物語はなんとかなる!そう思って毎回聞いています。

② すもももも『後宮デイズ』
http://booklive.jp/product/index/title_id/225657/vol_no/001
正直、この漫画なめてかかってました。よくあるシンデレラストーリーかと思いきや、そうじゃなかった。巻数をすすめることに、どんどん面白くなります!王の目にとまった旅芸人の少女は後宮によばれるのですが…。今では最新刊が待ち遠しい。

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次回更新まで、しばらくお待ちください。待たれている間に、こちらの物語なんぞどうでしょうか?
【第51夜】 少年の夢(中華風のお話。1話完結です)
http://short2story.blog.fc2.com/blog-entry-54.html
【第57夜】 笠森お仙騒動記
(淑玲に似た気が強いヒロインが登場します。ちなみに舞台は江戸。1話完結です)
http://short2story.blog.fc2.com/blog-entry-61.html
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コメント

三人組かと思ったら、四人組で良かったー。
珠露がいてくれて良かった。センセ、なかなかやるなあ。

商店街と花街、陽と陰かあ。
そうだよね、世の中はそういう仕組みになっているんだよね。
相手の二人は手ごわそうですねえ。

センセはまた難題を出すのでしょうか。
さあ、淑玲ちゃんどうする。
けい│URL│01/03 16:27│編集
けいさんへ
いつも本当にありがとうございます!

返信が遅くなってしまってすみません!!なんだかバタバタしてまして。本当に申し訳ありません。
今夜、返せるだけ返信できればと思っています。(全部返信できなくて、本当にすみません><)

> 三人組かと思ったら、四人組で良かったー。珠露がいてくれて良かった。センセ、なかなかやるなあ。商店街と花街、陽と陰かあ。そうだよね、世の中はそういう仕組みになっているんだよね。相手の二人は手ごわそうですねえ。 センセはまた難題を出すのでしょうか。さあ、淑玲ちゃんどうする。

なんとなくこんな組み合わせになってしまいました。珠露がいい感じに動いてくれればいいなあ。相手のふたりもちょっと厄介そうですよね。どうなることやら。先生は淑玲的には「人格者」らしいんですけど、自分で書いてて少し「おや?」となってきました。本当に人格者なのかな?と^^;
rurubu1001│URL│01/09 03:34│編集

プチお久しぶりです\(^o^)/
こちらの続きもお待ちしておりますね~。
椿│URL│04/11 12:44│編集
椿さんへ
コメントありがとうございます!

> プチお久しぶりです\(^o^)/こちらの続きもお待ちしておりますね~。

こちらこそ、お久しぶりです。お時間を頂いてしまってすみません。私も実はこちらのシリーズの続きを書きたくて書きたくてたまらないのですが、今書いている「或るアプレ記者~」というものが図書館から参考資料を借りているもので、それを先に書きあげ、資料を返却せねばならず…。なので、もう少しお待ち下さいね。

でもこちらのシリーズを応援して頂き、とても嬉しいです^^励みになります。本当にありがとうございます!
rurubu1001│URL│04/11 20:35│編集
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