そいつは、いつも不意打ちだった。

授業中ぼんやりしていたり、そろそろ眠ろうとベッドの中に入ったり、気がゆるんだ隙を狙って、そいつは僕に声をかけてくる。

『ハロー』

なんて挨拶をされたことは一度もない。自己紹介も特になしだ。
こっちが何者だ?と問う前に、いきなり本題に入るんだ。
 
『お目覚めですか?』

…僕は眠っていたのか…? 次の瞬間、僕は夜の海にいた。

『俺はずっと待ってたんだぞ、相棒』

…待つ?相棒?誰のことだろう? 次の瞬間、僕は知らない男と砂漠にいた。

『何度もあきらめずに手を伸ばす。届かなくても届くまで、つかむまで…』

…そんなことをしてどうするんだ? 次の瞬間、僕はどこまでも続く金色の海を見渡していた。

『力を生み出すんだよ。見ててごらん』

様々な声。それが飛び交っている世界。物語を生み出す世界。はっきりとつかめないくせに、そこに、すぐそこに。すぐ近くに。…いや、ここに自分の中に存在している世界。

『…ああ、僕は知っている』

僕はそいつを、『声』と呼んだ。 気軽に親しげに近づいてくるそいつを、そう呼んだ。

『私の末路を辿ろう』

でも、頭のどこかでそいつを警戒する僕もいた。

油断するな!そいつは、危険だ!あまりひきつけられるな、ひきずられるな-、と。
だから、時々怖くなる。『声』が止むことはないから。気がゆるんだ隙を狙って、ぐっと僕に迫ってくるから。

『恐れることは何もありません』

それは夢と似ているのかもしれない。甘い夢。たちの悪い夢。そんなつかみどころのないもの。でも、確かに存在するもの。そういうのって難しいよ。いったいどうやって説明すればいいのかな?

『見えないだけで、確かにここにあるんだ』

『声』を手放そうと思ったこと? 何度もあるさ。 振り切ろうと思ったことも? それも何度もね。

耳をふさげ!遮断しろ!逃げてみせろ!逃げ切ってみせろ! 試したさ。

― 本当は聞きたくてたまらないんだろう? ―

でも、全て無意味だったんだ。意味のないことだったんだ。…なら、もう開き直るしかない。

そいつは、いつも不意打ちだった。

『お目覚めですか?』

挨拶なんてされたことは一度もない。自己紹介も特になしだ。
こっちが何者だ?と問う前に、いきなり本題に入るんだ。

「ハロー」

だから、僕は言ってやったんだ。僕から、挨拶をしてやったんだ。 
今日はどんな『声』を、『物語』を、聞かせてくれるんだい?
さあ、全部聞いてやろうじゃないか!ってね。

『ここは…』

次の瞬間、僕は夜の海にいた。

― 本当は会いたくてたまらないんだろう? ―

上等だよね。 いつか必ず「グッバイ」て笑ってサヨナラしてやるさ。



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=影響を受けた作品のご紹介=
ここでは上の拙い物語がたぶん影響を受けたんじゃないかと思われる作品をご紹介します。 お時間や興味のある方はどうぞ~。

★ supercar 『 SILENT YARITORI 』 ★
https://www.youtube.com/watch?v=7LAXwiNghwM
作業中、聞いてた音楽です。人それぞれ物語の生まれ方は違うかと思いますが、私の場合、半分はこんな感じで。半分はフィクションで。よし、200まで、あと60!


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コメント
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││09/16 15:04│編集

ん? しれんと・やりとり? じゃなかった。すみません。英語弱いんで。すっかりジャパンモードです(-_-;)

常に問われる中で、ふいに問うとどうなるかって思います。
夜の海に飛ばされるのかな。暗そう。

実態のないところから物語って不意に生まれてくるときもあるのですかね。ハローとグッバイが背中合わせで意味深です(?)

けい│URL│09/22 21:42│編集
けいさんへ
けいさんへ

いつも本当にありがとうございます!

> ん? しれんと・やりとり? じゃなかった。すみません。英語弱いんで。すっかりジャパンモードです(-_-;)常に問われる中で、ふいに問うとどうなるかって思います。夜の海に飛ばされるのかな。暗そう。実態のないところから物語って不意に生まれてくるときもあるのですかね。ハローとグッバイが背中合わせで意味深です(?)

ややや、けいさんが英語が弱いなんてないない!^^この物語は音楽からタイトルをそのままもらったのですが、この音楽を聴く限り、「サイレント・ヤリトリ」なのかな?スーパーカーは不思議なタイトルの曲が多いんですよね。自分でタイトルを考えるのが苦手な私は、すぐにその時聞いていた音楽からもらっちゃってて…(汗)

意味不明な物語ですよね。まあ、たまには(ほとんどかもしれませんが)こういうのもありなのかな。許してくださいませ^^
rurubu1001│URL│09/23 04:19│編集
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