※良ければ、先にこちらをどうぞ。
【目次】 淑玲『宮廷浪漫』シリーズ 【作品紹介】
http://short2story.blog.fc2.com/blog-entry-253.html
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「淑玲(すうりん)、ようこそ俊楽堂(しゅんらくどう)へ。私はここで学問を教えている者です。名は暉仁(きじん)と言います。あなたを歓迎しますよ。ただし、ちょっと条件がありますけどね」

…先生?この人が?…確かに、商店街のみんなが言っていた外見とはあっている。肌が少し青白くて背が高い。二十歳前後の好青年。でも、先生は今、お堂の中で講義をしているはずじゃ…?

「今は別の方に、講義をしてもらっているんですよ」

私の考えを読み取ったのだろう。彼は続けた。

「私一人の教えでは偏りがあるでしょう。そうならないよう他の方を招いて、今は講義してもらっているのです」
「…偏り?」
「ええ。私がそうしないよう努めても、物の見方、考え方というのはいつの間にか師にならい、思考を頑なにしてしまうものです。色々な物の見方、考え方があっていい。学問というのは思考を狭める道具ではなく、逆に深く広げるものですから。…そうですね。あんな感じでしょうか?」

彼は空を指差した。一羽の鳥が、青空を気持ちよさそうに飛んでいる。

「…翼ですか?」
「そう。翼を持てば、羽ばたくことができる。飛ぶことができる。きっと、もっと世界を広げることもできるでしょう」

…翼を持てば、世界を広げられる…?あの鳥のように?自由に?

「…私もあんなふうに、飛ぶことができるでしょうか?」
「あなた次第ですよ」

彼は手を伸ばし、私の頭を撫でた。

『キミ次第じゃないかな?』

俊楽堂のことを教えてくれたお兄さんと同じことを言う。そう言えば、あの時も頭を撫でられた。…いやだな。みんな同じことをして私をあおるんだから。私は、笑った。そして、彼に向き直り、はっきりと告げた。

「先生のおっしゃるとおり、私はここに学びに来ました。ここで学ばせて下さい。条件とは何ですか?」

彼は、ふっと笑った。

「これから、あなたをみんなに紹介します。しかし、反発を招くでしょう。この国で学問を学べるのは男子の特権のようなものですから。私が言って抑え込むのは簡単です。でも、それでは何の解決にもなりません。あなたの力でみんなを納得させて下さい」
「…私の力で…?」
「そうです。それは学問以外の方法でも構いません。期限は二日。二日でみんなの心をつかみ、納得させるのです」
「…たった二日ですか!?」

いくらなんでも、二日は短すぎる。怯んだ私に、彼はすかさず聞いた。

「どうしますか、淑玲?」

試されていると思った。試されなくても、私の答えはすでに決まっている。ここで学問を学びたいのであれば…。私は大きく息を吸った。

「…やります!」

彼は優しく微笑み、もう一度頭を撫でてくれた。

「私があなたに言えるのは、もしかしたら終始これだけかもしれませんね」
「え?」
「淑玲、自分の能力を過信しないこと。人を頼ることを覚えなさい。謙虚でありなさい。そうすれば、あなたは自分が思っている以上の力を発揮できるでしょう。期待していますよ」


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=影響を受けた作品のご紹介=
ここでは上の拙い物語がたぶん影響を受けたんじゃないかと思われる作品をご紹介します。 お時間や興味のある方はどうぞ~。

★ YUKI 『ランデヴー 』 × 韓国大河ドラマ『イ・サン』 ★

この週末に書けるだけ、淑玲を一気に書いてしまいますね。

ちなみにサブタイトル「図南(となん)の翼(つばさ)」は「大事業をしようとする計画や大きな志のたとえ」が本来の意味だそう。これは私の好きな小説『十二国記』(小野不由美)のタイトルでもあるのですが、今回故事成語であることを知り、タイトルにお借りしました。(すみません)今回のこじつけは、学問を学ぶことを鳥の翼に例えて教える暉仁の言葉と二日でみんなに自分を納得させなくてはいけない淑玲の大きな志…?みたいなところで。

① YUKI 『ランデヴー 』
https://www.youtube.com/watch?v=r55074Ici6c&list=RDY_C1tlM6DkE&index=21
淑玲の物語を書いていると、終盤にはなぜかこの前奏がいつも流れるてくるんですよね、頭の中に。

②  韓国大河ドラマ『イ・サン』
https://www.youtube.com/watch?v=65klp44_0bo
『トンイ』→『イ・サン』 この2作品は時代的に少し繋がりがあって見た順番的にもよかったかもしれません。世孫(せそん)様、命狙われ過ぎ…!と何度思ったことか。健気なヒロイン・ソンヨンは人形劇『三国志』のヒロイン・淑玲(薄幸系)と似ていてずっと応援してました。

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次回 【第135夜】 腹が減っては戦はできぬ(淑玲『宮廷浪漫』シリーズ10)
http://short2story.blog.fc2.com/blog-entry-160.html
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コメント

淑玲ちゃん次第・・・良い出逢いですね。
翼を持て。粋です。

なかなか面白い条件ですねぇ。
男子にしか認められていないものを女子に、というとき、何も男勝りになる必要はないのですけれど、淑玲ちゃん、どうするのかな。

これからずっと先の淑玲ちゃんのことも象徴するような回ですね。
私も期待しています^^
けい│URL│07/09 15:10│編集
けい さんへ
いつも本当にありがとうございます!

> 淑玲ちゃん次第・・・良い出逢いですね。翼を持て。粋です。なかなか面白い条件ですねぇ。男子にしか認められていないものを女子に、というとき、何も男勝りになる必要はないのですけれど、淑玲ちゃん、どうするのかな。これからずっと先の淑玲ちゃんのことも象徴するような回ですね。私も期待しています^^

素敵な感想、ありがとうございます。本当はこんなに回想シーンが長くなるとは思わなかったですが、淑玲のバックグラウンドを少し書いておきたくなったのかな…?まだ全てかけてないから、どうなるかわからないのですが(伏線をけっこう貼っていくことになりそう…)、本編に戻るまでもしばらくお待ちください^^
rurubu1001│URL│07/09 23:11│編集

学問は翼。いいですね、暉仁さん。

自分の能力を過信しない。謙虚であること。

なかなか難しいですね。特に、淑玲のような才気煥発なタイプには。

ひと目でそれを見抜いたんでしょうか。
椿│URL│11/03 23:16│編集
椿 さんへ
コメントありがとうございます!

> 学問は翼。いいですね、暉仁さん。自分の能力を過信しない。謙虚であること。なかなか難しいですね。特に、淑玲のような才気煥発なタイプには。ひと目でそれを見抜いたんでしょうか。

暉仁さんもちょっと謎の多い人物ですよね。ここまで読まれた方は彼の正体をもちろん知って下さっているわけですが、私もまだ書いてて少しつかめない感じだったり…。ただ、なにやら淑玲にたいして何かを感じていることはある様子。そのきっかけやその思いもいずれはかけるといいのですが…^^
rurubu1001│URL│11/04 20:29│編集
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