久しぶりにおいしいご飯を食べたような気がした。

ミキにご飯を一緒に食べようと誘われたときは、何もする気力も無くて、正直勘弁してくれよ、と思っていたけど、親友の力を思い知った気がした。おいしいご飯と彼女との会話のおかげで、何もかも空っぽだった体が、ようやく息を吹き返したのだ。

「あの豚の角煮、おいしかったねぇ」
「ラフテーでしょう。私の分も食べてたもんねー。お店も良かったし。あ、ランチもいいんだって。学科の子が言ってたよ」
「じゃあ、今度はお昼に行こう」

ご飯を食べ終わってから、実家から大学に通っている彼女を駅まで見送りに行った。外はすっかり更けこんで、夜空には冴え冴えとした冬の星が私たちを見下ろしている。駅までの道には人絶えることはなく、酔っ払った社会人や学生がいたるところにいた。

「終電間近なのに、元気だねぇ、吉祥寺は…」
「金曜だからじゃない?」
「みんな名残惜しいのかな…」

ミキの言葉に思わずハッとする。それは今の私の気持ちだった。彼女の帰った後の自分を想像するのはこわかった。また、空っぽに戻ってしまうのだろうか…。

「じゃあ、帰るね」

吉祥寺駅に着いて、ミキが私に言った。私は頷いた。彼女はバックからサマンサの定期入れを出す。

「ミキ、今日はありがとう」
「何、言ってるの。あのお店ずっと行ってみたかったんだ。私の方が感謝だよ」

そう笑うミキはとてもきれいで、女の子の優しさにあふれていた。私が男の子だったら、絶対ミキ狙いだろうな、とついバカなことを考える。そんな私に、ミキは真剣に言った。

「それ以上やせないでね。ご飯だけは、ちゃんと食べるのよ」
「なんかミキ、ママみたいだよ」

私は笑った。心配をかけてしまって申し訳なかった。

「バーカ。でも、いいなぁ。一人暮らし。私も吉祥寺に住みたいよ。今度泊まりに行くわ。じゃあ、また来週大学でね」

ミキに手を振って別れた。私はため息をついて、その場を立ち去る。早く復活しなきゃいけないのはわかっているのに…。でも、自分でその復活方法がわからなかった。そもそも、このことに関して方法なんてものはあるのだろうか。

 北口に出てサンロードに向かう。吉祥寺の駅前商店街通りの一つ。一番大きい通りだ。そこに向かう途中に、あやしい手相の勧誘に合う。気持ちよく終わりたかった今日に、実は新興宗教の勧誘である彼らの存在は、本当にうっとうしかった。私はいつもなぜかよく狙われ、最高で同じ日に四人もの勧誘にあったことがあり、人一倍彼らを毛嫌いしていた。

「すみません。手相の勉強をしているんですけど、良かったら占わせて頂けませんか?」

ほら、また来た。

「すみません。手相の勉強をしているんですけど…」
「手相を宜しかったら…」

三人、四人…。
さすがに記録を更新したくは無かったので、バックから携帯をだし、メールを打つふりをすることにした。こうすれば、さすがに五人目はないだろう。

「…あの、すみません」

…だから、まさかの五人目がきた時は、正直あきれてしまった。よくあきもせずに何度もこられるものだ。私はもちろんまた無視を決めて通り過ぎようとした。それでも、相手はしぶとくつきまとってくる。私は足早になった。でも、次の瞬間、腕を引かれてしまい、思わず私はカッとなってしまった。そこまで強引なのは初めてだった。

「ちょっといいかげんにしてよ!」

振り向いて怒鳴りつけた相手はとても驚いたらしく、きょとんとしていた。

「…いや、俺は…」

同じ年くらいの男の子だろうか。メガネをかけた細身の背の高い男の子。一見好青年そうに見える外見が、より私を逆上させた。

「そんなに占いたいんだったら、当ててみせなさいよ!テキトーに答えて、お金とって。最低じゃない!」

彼は戸惑っていた。そして、仕方なく少し考え込んでから、私に向かってこう言った。

「…あのー、持ち物が一つ無くなっていませんか?とても大切な物だと思うんだけど…」

彼は私の黒のアナスイのバックを指差した。私はバックの中を覗いてみた。

お財布はきちんと入っているし。手帳もある。化粧ポーチもあった。買ったばかりのデジカメもある。携帯は手に持っていたし…。私がわからないでいると、彼は目をつぶって考える素振りをしてから、無くなった物の正体を突き止めた。

「キーケースは?」

私はもう一度バックを覗いた。当たっていた。キーケースがどこにも見当たらなかった。私はしゃがみこんで、バックの中を必死で探した。でも、ない。自分の家のマンションの鍵に自転車の鍵、そして、一番大切なものだったはずの―。
すると彼も一緒になってしゃがみこんでから、私の目の前であるものを掲げた。私は目を見開いた。それは、私の茶色い皮のキーケースだった。

「…さっき落としたよ」

彼はそう言って困ったように笑った。さっき携帯を取ろうとしたときに、落としたに違いない。彼はそれに気づいて拾ってくれたのだろう。だから、強引に私を引きとめたのだ。やっと理解して、私は彼に謝った。

「―ごめんなさい!私、勘違いして。てっきり、その…」

顔は真っ赤になっていたと思う。恥かしくて、きちんと彼を見られなかったから。

「俺もよくあの人たちに声かけられるし。気にしないで」
「本当にごめんなさい!」
「それじゃあ」

そう優しく笑って、彼は去っていく。よく見れば、片手にギターを持っていた。サンロードで路上ライブをしている男の子なのだ。演奏をやめて、急いでかけつけてくれたに違いない。そんな人になんて失礼なことを…。最低なのは私の方だった。しょんぼりと帰ろうとする私の背中に、

「…あ、ちょっと待った」

と、いきなり明るい声が私を引きとめた。振り向いた。さっきの男の子だった。

「君、今日はぐっすり眠れるよ」
「…え?」
「いい夢、見ると思う。泣いちゃうくらい幸せな夢」

私は、ぽかんとしていたのだろう。可笑しそうに彼は笑った。

「占い」

私はさっきの自分のセリフを思い出した。

「…たぶんね。当たるかわからないけど」

そう彼は笑顔で私に告げると、もと来た道を戻っていった。私はしばらくぼんやり佇んでしまった。なんとも不思議な男の子だ。

――今日はぐっすり眠れるよ

ありがたいことに、その言葉は染み入るように私の中に入ってきた。私は、一人笑ってしまった。心地いい眠りの時間が、何よりも一番望んでいたことだったから。嘘でもその言葉は嬉しかったのだ。

でも、驚いたことに彼の予言は当たっていた。

その夜、私は本当にぐっすり眠っていた。
まあ唯一彼がはずしたのは、幸せな夢だった(過去形)、ということだけど…。

夢の中では、私はまだ元彼と付き合っていて、約束だったお台場の観覧車に二人で乗っていた。昔ミキとクリスマス前に乗ったことがあって、見渡すばかりのカップル率に女二人はかなり気まずい思いをした。それを彼に話したら、「淋しい奴らだなぁ」と笑われ、今度一緒に乗ろうと約束してくれたのだ。

夜の観覧車に乗客はなぜか私たちだけ。どうやら彼が貸しきったらしい。絶対ありえないことなのに夢の中の私は、疑いもせず信じていた。二人で乗る観覧車がたまらなく嬉しかったのだろう。

―夜景すごくきれいだね。
―うん。

私たちは電飾で作られた見せかけの世界に心から満足していた。

―見て、フジテレビだよ。カトパン、いるかなぁ。
―カトパンは、かわいいよなぁ。
―こらこら。
―あ、やべ。とっくに天辺過ぎてるし。

私は辺りを見回して、自分たちの観覧車の位置を確かめた。いつの間にか一番高い場所までのぼり切っていて、後は下っていくだけだった。つい言葉が口をついた。

―観覧車って前半楽しいけど、後半切なくなっちゃうね。

二人はしばらく黙り込んだ。淋しい沈黙だった。私たちは同じことを考えている。それがわかっているから、もっと淋しくなった。でも、彼が勇気を出して、先に口を開けた。その言葉のおかげで、私たちはとびきりの笑顔になる。

―そんな哀しい顔するなって。もう一周乗ろうな。

これは果たせなかった夢だ。私たちは少し前に別れたから。朝目覚めて、私は一人泣いた。確かに彼の予言は全て当たっていたのかもしれない。私はぐっすり眠った。そして、泣いてしまうくらいの幸せな夢を見た。

次にあの占い師の彼と会うことができたのは、きっかり一週間後だった。

その日、私はミキと張り切って買い物をして、またご飯を一緒に食べて駅まで見送った帰り道だった。

サンロードの松屋の横で、ギターを弾いて歌う彼を見つけた。彼の周りには数人が囲っていて、みんな彼の歌声に耳を傾けていた。私も立ち止まって、彼の歌声を聴いてみることにした。

柔らかで透明感のある声。アコースティックギターから奏でられる音は、その歌声を暖かに包み込んでいた。知らない曲だったけど、彼の歌はどこか馴染みやすく、優しい人柄が出ていた。気づけば、新たにまた少し観客が増えていた。
 
演奏が終わると、みんなが彼に拍手をした。彼はちょっぴり照れくさそうに笑ってから、「ありがとうございます」と頭をかいた。なんだか微笑ましい光景だった。それから彼に声をかけたり、サインを求めたりする人たちが残り、彼は一人ずつ丁寧に対応していた。私は彼が一人になるのを待つことにした。

「―あ」

そして、一人残っている私の存在に気づくと、これまた恥ずかしそうに彼は笑った。

「聴いてたんだ」
「うん、初めて聴いた。歌がうまいんだね。いい声、してる」
「ありがとう」

謙遜するわけでもない、素直な彼がなんか良かった。

「ありがとうは、こっちのセリフです。この前は本当にありがとう」
「いやいや」

謝ってばかりで、あの日お礼を言うのをすっかり忘れていたのだ。でも、私が言いたかったのはこれではなかった。だから、一番気になっていたことを聞いてみた。

「…あのー。もしかして、本当に占い師なの?」
「は?」
「ほら、あのとき、いい夢を見るよって、最後に言ってくれたじゃない?」

彼はビックリしたように私を見てから、やがて大きな声で笑った。歌声並みに、とてもいい笑い声を持っている人だ。

「もしかして、本当に当たったんだ」
「…うん」
「なら、よかった」
「よくないです」

彼の?の顔に私は笑いたいような、怒りたいような複雑な気持ちだった。そして、なんとなく話し始めていた。

「ずっと好きな人いてね、最近ふられたの」
「へえ~。元彼?」
「そうそう。ありがちよね。で、その人の夢を見たの。一緒に乗ろうって約束した観覧車の夢」
「ふうん。それって、もしやお台場の?」
「そうそう」
「お台場の観覧車かぁ。それもありがちだなー」

私は彼を軽く睨んだけど、なぜか憎めなかった。彼は気にせず、のんびりと続けて言った。

「でも、それが君の唯一の心残りだったんだね。だから、夢に出たのか」
「え?」
「夢で叶ったんなら、きっと君はもう大丈夫だよ」

よくも知らない他人に「大丈夫」といわれるなんて、思わなかった。反則だった。びっくりしすぎて、なんと涙が出た。

「こらこら、俺が泣かしたみたいじゃないか」
「…だって」

自分でも理解できないことに、私は戸惑っていた。しかも、普段めったに人前で涙なんか流さないから、泣き止む方法がわからず、余計に始末が悪かった。しばらく彼は困ったように私を眺めていた。でも、それからギターを構えて軽く咳払いをすると、勢いよく歌い始めたのだった。

彼の歌声にその場の空気が大きく変わっていった。

暗くて淋しげ空気が、突如うごめいたのだ。わくわくする楽しさがひそむもの。それが明るく辺りをはらう。どこまでも澄んだ声が夜の街に響き渡り、限りなく広がっていく。優しくて、ひたむきな力がその音楽には隠されているようだった。驚いた。簡単に涙は止まっていた。

「…良かった。泣き止んだ」

彼はホッとして、きりのいい所で歌うのをやめると、観客から貰っていた缶コーヒーを私に一本差し出した。私は鼻にかかった情けない声で感謝の言葉を述べ、それを受け取った。とても温かい。彼が座り込んだので、私も隣に座った。並んで缶コーヒーを飲む。視線が下がり、人々の様々な靴の色が目を引いた。そのほとんどが軽い足取りで、まるで彼のさっきの音楽に後押しされているようだった。錯覚かもしれないけど…。

「そっか。今日は金曜日なのね。だからか」
「うん」
「…さっきの、いい歌ね。あなたが作ったの?」
「違う、違う。俺には作曲する力はないよ」
「じゃあ、誰の?」
「『くるり』っていう人たちのだよ」
「くるりん…?変な名前ねぇ」
「違うよ、『くるり』!『くるり』の『ワンダーフォーゲル』っていう曲、知らない?」
「『くるり』…?知らない」
「そっかー。偉大なのになぁ…」

彼は心底残念そうだった。そんな彼に私は伝えた。

「でも今、知ったよ。いい曲だった」
「だろー?」

今度はとても嬉しそうに微笑む。その瞬間、私はわかってしまった。この人は自分の好きなように生きて、自分が信じたものを真っ直ぐにこの上なく愛するタイプだ。

「占い師でミュージシャンか」
「まぁ。なんというか…」
「どっちが本業なの?」
「それは、難しい質問だなぁ」
「じゃあ、占いミュージシャンね」
「おいおい。勝手に作るな、変な職業を」
「ははは」

彼といる不思議な時間が、ゆっくりと流れていく。私はなんとなく、やっと方法に近づくものを見つけたような気がした。

「ねぇ、いつもここで歌ってた?」
「ううん、先週始めたばっか。いいね、吉祥寺。しばらく金曜の夜は、ここで歌うと思う」
「何で金曜日なの?」
「金曜の夜って、どこか祭りっぽくて好きなんだ」
「ふうん。祭り、ねぇ」

それは彼の音楽と根本でつながっている何かなのだろうか。面白い人だ。

「さっきの曲…『くるり』だっけ。歌ってくれない?もう一度聴きたいな」
「じゃあ、聴きながら帰りな。もう遅いから」
「はーい」

私は立ち上がり、お尻を叩いた。彼も腰を上げ、メガネを指先でくいっとかけ直す。

「それではリクエストにおこたえして、一曲…」
「お願いします」

ギターを肩に掛け直し、深呼吸して、前を見る。メガネの奥の目は、何かを見据えていた。そして、指がなめらかに動き出し、一つの音が生まれていく。

――僕が何千マイルも歩いたら…

彼の声は澄み切ってのびやかで、この夜の闇によく映えた。真っ暗な世界をそれだけではない違ったものに変化させていく。はっきりとリアルにそれを感じられる。一体どこにそんな力があるというのだろう。こんな普通の男の子に。でも、なんだか彼を見ていると、私自身もそんな力があるのかもしれないと思わせてくれるのだ。

――ハローもグッバイもサンキューも言わなくなって…

私は歩き出した。急に動き出したくなった。この歌は立ち止まって聴いてはいけない気がしたのだ。行かなくては―。

そのまま振り返らないで、私は真っ直ぐ帰った。彼はそんな私を見えなくなっても、しっかりと見届けていた。一人の家に帰って、ベッドに入って眠りに着くまで、その音楽はずっとずっと私の中から消えなかったから。

でも、ぐっすり眠って朝になって目覚めると、私はすっかりその音楽を忘れてしまっていた。気になって気になって、速攻でタワレコに買いに出かけた。今の私には、あの音楽がどうしても必要だった。私がであった大切な、あの音楽が―。

そして、何度も聴きこんで、ようやく私はある決心を固めることができたのだ。

 「また来たんだ?」

 次の週の金曜日の夜。私はまた彼に会った。というか、私から会いにいったんだけど…。

「うん。今日はあなたを見込んで、頼みがあってね」

どうしても私が思いついた方法に、彼も参加してもらいたかった。

「頼みって、どうしたの?」

路上で座り込んでいたところに声をかけたから、彼は私を見上げる形になった。歌う時の真剣なまなざしとは打って変わって、子供のような無垢な目だった。だから、頼める。そして、彼は引き受けてくれる。そう私は確信した。

「手伝って欲しいの」
「何を?」
「泥棒を」
「…へ?」

占い師かもしれない彼でも、思いがけない申し出だったらしい。間の抜けた変な顔をしていた。

「…できれば、まだ犯罪者にはなりたくないんだけど。まあ、とりあえず事情は聞こう」
「なんかダメダメな探偵みたいなセリフねぇ」
「なんだ、そりゃ。で、どうして泥棒なんだよ?」
「泥棒って言うのは大袈裟だけど。実はある人の家に行って取り返したいものがあるのよ」
「もしや…元彼ですか?」
「そう。彼も一人暮らしでね。ちょうど今、大学のゼミ合宿でいないらしいの。だから、やるなら今しかないと思って」
「でも、一体何を取り返したいの?」
「鍵よ。私の家の鍵」
「…そうか。それは取り返したいな。でも、別に家に忍び込まなくても、彼に話せばいいんじゃ…」
「けじめ、つけたいの。別れてから二人で会いたくなくて。友達に頼んだり、友達と三人で会ったりすることも考えたんだけど。それは友達が一番苦しいでしょう?だから…」
「泥棒を?」
「そうよ。それになんか笑い話にしたいじゃない?哀しい別れなんかより、後でバカみたく笑える話にした方がきっといい。あなたなら、思い切り笑ってくれそうだったから」

しばらく彼はじっと私を見つめていた。悩んでいるのだろう。でも、それから仕方なさそうに肩を下げ、面白そうに私を見やってからニヤリと笑った。

「しょうがないなー。まぁ、なんか面白しそうだし。手伝ってやるか」

ほら、やっぱり!私の占いも当たってくれるのだ。

 吉祥寺駅を南口に出て、井の頭公園方面に向かう。急に緑が多くなった。都会のはずの街が、ここから突然子供じみた顔になる。夜の濃い緑のにおいに胸がいっぱいになる。それはどこかクラっとするような感覚を引き起こす。ただ懐かしい、と強烈に思わせるものがここにはあるのだ。忘れていたことが思い出せるような、眠っていたことが蘇るような…。そうだ、ここはいつもそうやって無性に私を懐かしくさせるのだ…。

「なんか懐かしいなぁ」
「え?」

隣で歩く彼のセリフに驚いた。彼は続けた。

「この街を好きになる人は、たぶんこの公園にやられましたっていう人が多いんじゃないかな」
「やっぱり?私もそう思う。あとね、朝、ここを自転車で突っ切って大学に通うのがたまらなく気持ちいいんだって。彼が…あ、えっと…元彼がそう言っていました」
「そっか。確かに朝、自転車で通ったら気持ちいいだろうなー」

そう言って彼は、生まれたばかりの日の光りに照らされた朝の公園を想像していた。私のちょっとした失敗にも動じない、気にすることもない。彼でよかった。私の人選は間違ってなかったと思った。

 夜の井の頭公園は、もしかしたら昼間より、ある意味賑やかかも知れなかった。静かで落ち着いた雰囲気とは言い難い。ちょっとしたカップルスポットになっていたり、酔っ払った人々がここまで足を伸ばしていたり、一見ひっそりと構えてはいるけど、どこか高揚した場所だ。この夜ももちろんそうで、憎たらしいくらいの恋人たちや羽目を外した酔っ払いで賑わっていた。でも、みんな幸福そうだった。暗がりの中、耳にする声は甘い囁き声や笑い声で、普段の日の光りの下では決して見せないような―ちょっとした熱気すら感じさせた。

「…うーむ。なんか、あれだな。今度ここで歌いたくなるな」

彼のセリフに、思わず笑ってしまった。そうしたくなる気持ちがよくわかる。ここはそういう場所なのだ。

 井の頭公園を抜けて、彼のアパートに久しぶりに着いた時、さすがにわかってはいたけど、少し苦しくなった。

「ほら、やるぞー」

でも、彼のその言葉に背中を押してもらって、私は気合を入れ直した。
静かに階段を登り、二階の角部屋に向かう。家のドアの前に立つ。持っていたキーケースを出した。以前に彼に拾ってもらったあのキーケースだ。ここに、この家の合鍵も入っている。私は隣の彼を見た。彼はそ知らぬふりをした。

あの時から、彼の占いは当たっていたのだ。これは、本当にとても大切なものだった。私にとって、このキーケースは…。深呼吸して、鍵穴に鍵を差し込んで、私は静かにドアを開けた。

 月明かりを頼りに室内を見渡した。
彼の部屋は私が訪れていた頃と何も変わっていないようだった。窓際には大きなソファーベッドがどかんと陣取っているのも。机の上が程よく散らかっているのも。服が床に投げだされているのも。なぜかキッチンだけは整然としているのも…。哀しいことにどこも変わってはいなかった。何も変わってはいなかった。それなのに、一体何が変わってしまったというのだろう。今ここで私は何をしているのだろう。よく知らない男の子と内緒で彼の家に忍び込んでいる…。そのこと事態がまるで夢の中のできごとのようだった。なんだか泣きたくなってしまった。

「こら、鍵はどこなんだ?」

でも、隣の彼の現実の声に、私は引き戻される。泣くのは後だった。

「たぶん、テレビの横の…」
「あ、あった。このビーズのついてるやつ?」
「うん。それ」
「ほら」

そう言って彼は私に鍵を渡そうとした。私はそれを受け取ろうと手を伸ばす。でも、受け取れなかった。力なく上げた手は、その行為を拒否していた。鍵は床に落ちた。淋しげな音が狭い部屋にかすかに響いた。

「おーい」

彼はその鍵を拾ってくれて、もう一度私に差し出した。限界だった。必死に抑えていたものが、溢れ出ていた。

「…泣きに来たの?」

彼の言葉に私は首を振った。

「じゃあ、やりとげなよ。自分のしようとしていたことをさ…。本当は自分の鍵を取り戻したいわけじゃないんだろう?」
「え?」
「彼の家の鍵を返しに来たんだろう?」
「…どうして…?」
「っていうか、わかるよ。そのくらい」

私はびっくりして、彼を見上げた。メガネの奥の目は、とても哀しそうだった。その目に我にかえる。涙をおさめてから、キーケースにある彼の家の鍵を抜き取った。終わったことを認めるために私はここに来たのだ。だから、それをやりとげなければいけなかった。自分の鍵の変わりに彼の鍵を置いた。

「気はすんだかい?」
「うん。ごめんね…帰ろう」
「よし。じゃあ、行こう」

私たちは玄関に戻り、靴を履いた。心は落ち着いている。大丈夫だった。ドアを開けて、この家を出れば、全てが終わりを告げるはずだった。でも、そこで彼がふと困ったように声を上げた。

「…あれ?ちょっと待った」
「え?」
「でも、鍵をあそこに返したら、この家の戸締りができないんじゃないか…?」

私たちは顔を見合わせ、気まずい視線を交わした。

「…あ!」

その通りだった。確かに彼の家の鍵をあそこに返してしまうと、この家の戸締りができなくなってしまう…。この家はオートロックなんて立派な機能のあるアパートじゃなかった。私は立ち尽くしてしまった。なんという情けない失態だろう。あろうことか、鍵を返してからのことを私は全く考えていなかったのだ。そうだ。私はいつもこんな風にどこか抜けてしまっているのだ。そして、最後の最後にいつも困り果ててしまう…。自分の爪の甘さに一人嘆いていると、全てを察したのか、彼はちょっとした沈黙の後に私を見て、ぷっと吹き出し、突然思い切り笑いだした。あの飛び切りのいい声で。それを見て、つられて私もいつの間にか笑ってしまっていた。あんまりにも間抜けすぎて、笑うしかできなかったのだ。一度弾けた私たちは存分に笑い合うことで、何かを吹き飛ばしていた。そして、やっと落ち着いてから、私は提案してみた。

「しょうがないから、鍵をもって閉めてから、ドアのポストに入れとこうかな」
「なんか間抜けな泥棒だなぁ」
「だって、しょうがないじゃない。鍵が開いたまま、帰るのも忍びないし…」
「まあ、確かにね」
「…っていうか、なんかもうこうなったら、とことんやっちゃう?間抜けな泥棒からのメッセージつきの置手紙とか。この際、鍵と一緒に付けてみたりして」
「それってルパンとかキャッツアイみたいな?」
「そうそう!『月の雫と鍵はしっかりいただきました。キャッツアイより』みたいな?」
「ははは!いいな、それ。笑えるかも」
「よーし」

勢いにのって、私はバックから必要な物を取り出した。ペンに紙(書ける紙が無くて、手帳の使わないページをやぶった)それからさっきの内容をさらさら書き、たまたまあった、かわいいシールも添えてみた。なかなかのできだった。でも、何か物足りなくて、最後に付け加えた。

「できた!」
「どれどれ」

彼に紙を渡す。それを読んで彼は素直な感想を述べる。

「ふうん、いいじゃん」
「でしょ?」

私は満足だった。彼も微笑んでいた。本当に、もう大丈夫だと思った。外に出て、ドアを閉めた。ポストに手紙つきの鍵を入れる。玄関に落ちた音が聞こえたような気がしたけど、その音はさっきのように淋しくはなかっただろう。気持ちのいい、清々しい音だったに違いなかった。

「よし!じゃー、行くか」

隣の彼の言葉に私は頷いた。こうして、間抜けな泥棒たちは、そのアパートを後にしたのだった。

 
 いい感じに二人ともお腹がすいていた。

私たちは、近くのコンビニで肉まんを買うことにした。そして、井の頭公園に戻り、芝生の広がった見晴らしのいい(夜だから、あまり意味は無いけど)人気のない場所のベンチに腰掛けた。あたたかい肉まんを頬張る。蒸気でメガネが曇ってしまう彼の様子につい笑ってしまった。彼も楽しそうだった。夜空に浮かぶ月は、あんまりにもまん丸で大きく迫って見えた。こんな夜は、こんな月夜は、誰かと一緒に語り合うべきだ。一人ではいけない。隣の彼に感謝しなければいけなかった。

「…月、でかいなー」

どうやら彼も月を眺めていたらしい。もしかして、同じ事を考えていたのかもしれない。こういうときの人の思考は、そんなにずれてはいないだろう。

「いい夜だなぁ。しかも面白い夜だった」
「…色々すみませんでした」
「何、謝ってんの。誘ったときの豪快さはどうしたんだ?」

もうすっかり耳に馴染み始めていた彼の笑い声があった。心地いい優しい時間。ふと、こんなにも急激に人と親しくなったのはどれぐらいぶりだろう、と考えた。人のいい彼のおかげなのかもしれない。彼はうまかった。色んな意味で人と付き合うのが上手な人なのだろう。でも私がわかるのは、きっとそこまでで、彼のことを実際は何も知らないのだ。だから、これまでの感謝も込め、誠意をもって彼に訊ねてみることにした。

「あの、質問してもいいですか?」
「ん?…何だよ、いきなり。別にいいですけど」
「なぜあなたは歌っているのでしょう?」
「えぇ?しかも、なんかまた難しい質問だし。…う~ん。まあ、これはたぶんなんだけどさ。さっき、けじめつけたいって、言ってたじゃん?」
「え、私?」
「そうそう。俺もたぶんそれだと思うんだよね。聞いた時、なんかしっくりきたから。で、泥棒を手伝う気になったんだろうな」

彼はメガネを外して、また月を見上げた。驚いた。とてもきれいな横顔をしていた。

「何のけじめ?私と一緒で失恋?」
「…ううん。そこがまた難しいんだ。いろいろなことのような気もするし。でも、結局のところは今の自分に対してのけじめなんだろうな、とも思う。俺もね、君と一緒で知ってる人の部屋に忍び込んだんだよ」

私は彼を見つめた。月明かりの彼は、どこかぼうっとしていて、輪郭が少しぼやけて見えた。

「まぁ、俺の場合は兄貴の部屋だけど。今では鍵がかかってて、誰も近づかない部屋。時折、母親が行ったりしてるんだろうけどね…。あの部屋は、時間が止まってるから。兄貴が死んで以来」

強い風が吹いた。ざわざわと周りの木々を揺らし、頼りなげな心をいっそう掻き乱していくようだった。

「なんで急に俺は、兄貴の部屋に忍び込んだかわからない。前の日に兄貴の夢なんか久しぶりに見たせいかもしれない。とにかく俺は、兄貴の部屋に行ったんだ。驚いた。時間って生き物なんだなって痛感したよ。止まった時間は、もう死んでるんだ。それを目の当たりにした時、突然眩暈がして吐き気がした…。でも、そのまま帰れなくてさ…。視界が霞む中で、部屋の片隅にあったギターだけが妙にくっきり光って見えたんだ。それからだよ。なんとなく歌い始めたのは」
「…そうだったんだ」
「うん」

彼は目を閉じて、一つ大きなため息をついた。それから、またぼんやりと月を見上げる。私はこの時、決して彼の中で満ちることのない月を見た気がした。心の中でため息をついた。無力だ。こういう時の自分の、人間の、無力さに呆然としてしまう。でも、私にできることはたぶん一つだけあって、結局はそれが人間のできる唯一の大切な力なのかもしれなかった。

――僕が何千マイルも歩いたら…

「…え?」

彼が驚いて私を見ていた。私は笑った。

「覚えたの。いい曲だったから。私の声だとあんまりだからさ、一緒に歌ってよ」

私は続けた。彼のような歌の力が、自分に少しでもあることを祈った。彼を信じて、一緒に歌ってくれることを待っていた。

――手のひらから大事なものがこぼれ落ちた
――思い出の歌、口ずさむ

透明な声が重なった。適わないな、と思った。彼の声の凄さ…、抜群の良さ、これはホンモノだという気がした。彼のお兄さんはわかっていたのかもしれない。

ギターの音がさらに重なって、穏やかに私たちを包んだ。今日の、この瞬間の、彼の声は恐ろしく澄んでいた。神がかった迫力があって、目の前にあるもの全てが光り輝きそうだった。彼の声はきっとあの月まで届いたはず…そう、信じたい。

「…ありがとう」

歌い終えた彼はメガネをかけ、すっきりとしたいい笑顔をしていた。

「バカだなぁ。忍び込むなら、言いなさいよね。泥棒仲間なのに」

私は笑った。良かった、と思った。私たちを取り巻くものは決して一筋縄ではいかないけど、それだけではないはずだ。こうして、誰かと歌って笑い合えるし、時には間抜けな泥棒だって、やってのける力があるのだから―。

「あ、そうだ。もう時効だと思うから言うけど、あれは占いでもなんでもないから」

突然彼が申し訳なさそうに、鼻の頭をかいて白状した。

「…何が?」
「初めて会ったときの。『いい夢を見るよ』ってやつ」
「え、そうなの?」
「うん。あの時、君の目の下にクマがあるのがわかってさ。この子、眠れてないんだなって思って。だから、あんなふうに言えば、案外気持ちが楽になって、ぐっすり眠れるものなんじゃないかと」
「…そうだったの」
「だから、怒鳴られた時は、正直恐かったなぁ。迫力があった」
「ちょっと、ひどいなあ」

でも、彼はとても優しかった。初めて会ったときから。それに私が救われたのは紛れもない事実だ。

「じゃあ、占いっていうよりは催眠ね」
「まぁ、はずれてはないかもな」

彼の優しい笑顔に励まされた時、心待ちにしていたある気配を感じた。

 それはゆっくりと確実に近づいてきていたもの。…もしかしたら、ずっと前からどこかで見え隠れしていたものなのかもしれなかった。キーケースを落としたあの時から、彼と出会ったあの時から、彼が教えてくれたあの音楽から、それはとっくに存在していたのかもしれない。

ただ私の心の準備ができていなかっただけで、目の前にしっかりとそれは広がっていたのだろう。彼がいつか語っていた『祭り』という言葉がなんとなく頭をよぎった。彼はもしや全てを知っていたのだろうか…?

「ねぇ、もう一つ聞いてもいい?」
「何?」
「あのさ…」
「あ、待った。今度こそ、当ててみせようか?」

ニヤリと笑う彼。私は期待を込めて、彼の答えを待ってみた。

「う~ん。もしや俺の名前じゃないか?一体何者なのか知りたくなった…とか?」

その答えに、思わず私は笑ってしまった。

「あれ、違った?」
「ううん。まぁ、当たりにしとく」
「なんだよ、当たりにしくって」
「はずれてはないかなーって。そうよね、まずはそこからだったわ」
「なんかすっきりしないなー」

どこか納得できない様子の彼。でも、彼は正しい。私はまた肝心なことを忘れていたのだ。目の前の新たしいドアをきちんと開けるための、受け入れるための、鍵になる大切な言葉を。

「ねぇ」

そうだ、私たちはまずはそこから…

「あなたの名前、教えてくれる?」

そして、きちんと、ここから始まっていくのだろう。



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=影響を受けた作品のご紹介=
ここでは上の拙い物語がたぶん影響を受けたんじゃないかと思われる作品をご紹介します。 お時間や興味のある方はどうぞ~。


★ くるり『ワンダーフォーゲル』 × くるり『ばらの花』 ★

ある日、大好きな吉祥寺を舞台に物語を書きたい思いました。そのためにまず吉祥寺のテーマソングを見つけないと!友人と夜通し遊びほうけて、朝になって白んでいく吉祥寺の街を歩いていると、ふと彼らの音楽が聞こえました。歌のように、失恋から立ち直るまでの話を書こうかな。…そんなふうに、生まれた物語です。

3部作の中で、最初に書いた物語。手相の勧誘にあいすぎて、「いい加減にしてくれよ。どうせなら神様、素敵な出会い希望で!」って思ったことがきっかけだったかような…。何でも物語になるもんだなあ


くるり『ワンダーフォーゲル』
http://www.youtube.com/watch?v=I_PndY44ROg
くるり『ばらの花』
http://www.youtube.com/watch?v=fpjIsylnvU8
くるり『ばらの花・ワンダーフォーゲル・ロックンロール』
http://www.youtube.com/watch?v=Ic3yrHXiBYQ

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コメント

ポラロイド君が元彼かあ・・・(ちょい複雑)

タイプ違いそうなメガネ君との出会い。
神様はちゃんと良い出会いを用意してくれているんですね。

色々な人のなかで、色々な想いが交錯するけれども、結局は自分の心の持ちよう。そんな色々を持った人同士が出会い、かかわりを持っていく。

人とはただ出会って、別れるほうが数としてはずっと多いのだけれど、こうして心を固めて頼みごとをすると、こんなに良いことが待っているんですね。

路上の占いミュージシャン。来週の金曜日からはレギュラーの聴き手がそばにいるんですね。私も吉祥寺に聴きに行きたくなりました。おっと、じゃましないから^^
けい│URL│08/20 20:14│編集
Re: タイトルなし
>けいさん

> ポラロイド君が元彼かあ・・・(ちょい複雑)

ややや!深く考えていなかったけど、エピソード少しかぶっていたかも!!確かに元彼みたいな感じに読めますねー。私の先輩が桜の木の下を自転車で~っていうのをよく言っていて、無意識にたくさん使ってしまってたのかな。たぶん。

>色々な人のなかで、色々な想いが交錯するけれども、結局は自分の心の持ちよう。そんな色々を持った人同士が出会い、かかわりを持っていく。 人とはただ出会って、別れるほうが数としてはずっと多いのだけれど、こうして心を固めて頼みごとをすると、こんなに良いことが待っているんですね。

いい出会いは嬉しいですよね~。哀しいお別れがあった後はそのありがたみが本当に胸にしみるというか。
いつも思うんですが、絶対私の物語よりけいさんのコメントの方がいいこと言ってる気が!いつも本当にありがとうございます^^

吉祥寺いい街で大好きなんです。東京なのに都会過ぎないところもあって素敵ですよ~。
rurubu1001│URL│08/21 03:59│編集

rurubu1001さんって……初々しい恋物語、お得意ですね!
出会いの物語。色々なものを抱えた二人が出会って、ちょっとこれからの展開を予感させて、という感じの物語。
物語の中でどんなふうに二人が出会うかって、結構難しい。ハンカチを落としたり、廊下の曲がり角でぶつかったり……というお決まりのパターンをどれくらい崩していくかという試みにも見えて、楽しくなってきました。
言葉は魔法ですね。信じていると前を向いて歩いていける。
占いってそういうことなのかな、と思います。3000円(相場ってこんな感じ?)払って、自分にとって魔法の言葉を聞きたいんですよね。
背中を押してくれる言葉。それがこんな素敵な出会いになっていくのなら、いいのですけれど……
大海彩洋│URL│03/13 01:31│編集
大海彩洋さんへ
コメントありがとうございます!

> rurubu1001さんって……初々しい恋物語、お得意ですね!出会いの物語。色々なものを抱えた二人が出会って、ちょっとこれからの展開を予感させて、という感じの物語。物語の中でどんなふうに二人が出会うかって、結構難しい。ハンカチを落としたり、廊下の曲がり角でぶつかったり……というお決まりのパターンをどれくらい崩していくかという試みにも見えて、楽しくなってきました。

そんなそんな!大海さんにそんなふうに言って頂けるとは!!とても恐縮です><これも昔に書いたものだから、色々とヘンテコな文章が多くて…大海さんのコメントを機に読み直してみたのですが、お恥ずかしい限りです。後で直さなくては。

いろんな出会いのシチュエーションありますよね。これは確か私がある通りを歩くたびに、いつもなぜか手相の勧誘にあっていて「手相の勧誘はもういいから、どうせなら素敵な出会いで…」と思ったことがきっかけだったような…(笑)。

> 言葉は魔法ですね。信じていると前を向いて歩いていける。占いってそういうことなのかな、と思います。3000円(相場ってこんな感じ?)払って、自分にとって魔法の言葉を聞きたいんですよね。背中を押してくれる言葉。それがこんな素敵な出会いになっていくのなら、いいのですけれど……

本当そうですよね。人の言葉もそうですし、物語の言葉もそんなだと思います。心に響く言葉が確かあって、前にすすめる。大海さんの「天の川~」のラストの彼のセリフもそうでした^^

友達に付き添って私は占いに一度行ったことがあるんですけど、あんまりいいことをいわれてなかったような気がします。たまたまはずしてしまったのかもしれませんが…(苦笑)。

rurubu1001│URL│03/14 00:49│編集

rurubu1001さんのお話、どれから読もうかなーって見てたら、
お!ワンダーフォーゲルか!って、いや、私、昔は山ばっか行ってたもんで、読み始めたんですけど、あ、なんだ、くるりの「ワンダーフォーゲル」だったんですね(笑)

くるりは、私も好きですよ。
NHKでたまたま見て、なに?この詩!まるではっぴいえんどみたい!ってビックリして、アンテナから聴いてます(一応最初までさかのぼりました)。
もっとも、個人的には3枚組みのベスト盤のとこで止まっちゃってますけどね(笑)

てことで、久々にくるりを聴きながら読んでみました(笑)

なーるほど。
これを14話目で書けたっていうのは、やっぱりスゴイなー。
マジ感心しました(いや、ホント)。

いい意味で、特に何が起こるって話じゃないんだけど。
でも、なーんか展開が気になるっていうか…。

あと、この軽妙な感じが、おしゃれでいいんですよね。
吉祥寺が好きって書いてましたけど、これは東京の西に住む人の感覚かなー(笑)
(こういう感覚って、東京の東に住む人にはなぜかないんですよー。と思いつつ、もしかしたら世代のものなのかなーって気もするかな?www ←いや、ヘンな意味じゃなくってね)

そういう意味では、唯一引っかかったのが、2人がドロボーの後に買うものが「肉まん」だってこと。
例えば、「ピザまん」じゃダメだったのか?
吉祥寺って、仕事でしか行ったことないんでよくわからないんですけど、そこで買うのが「肉まん」だからこそ、このお話にフィットするのか?

ま、そこがこだわるとこか!って大笑いされそうな気もしますけど、吉祥寺をイメージでしか知らない私には、そこがちょっとだけ違和感があったかな?(爆)

あと、他の人のコメントを見て、初めて気がついたんですけど、ちゃんと3部作の最初から読んだほうがよかったみたいですね。
失礼しました(笑)


ひゃく│URL│03/30 11:06│編集
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