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おいしいパンをみんなに食べてもらうため、コッペおじさんは腕をふるいます。

朝早くからパンを焼き、お昼過ぎに店を開け、夕方店じまいをしてから夜遅くまで明日の下準備。パン種を作り、生地をこねこねしなくちゃいけません。

でも、時々…

「寝坊しちゃった」

そんな日もあったり、なかったり。

へへへへと笑いながら、コッペおじさんは頑張ります。

「よしよし、いい色に焼けたぞ!」

今日もかまをのぞいてコッペおじさんは、にまにまします。

あんパン

食パン

カレーパン

フランスパン

たまごサンド

ポテトサンド

焼きそばパン

シベリヤ

マドレーヌ

クリームパン

あげクリーム

あんドーナツ

メロンパン

りんごぱん

シナモンロール

マドレーヌ

などなど。

焼きたてのパンの香り。それに包まれて、おじさんはさらににまにまします。

「みんな、喜ぶといいなあ」

いっぱいいっぱい作るから、いっぱいいっぱい疲れます。

パンを棚に並べて、いよいよお店を開けなくちゃ。

「たくさんパンを作ったら、眠くなっちゃたなあ。…ぐうぐう」

嘘でしょ!?コッペおじさん、寝ちゃった!起きて、起きて!!お客さんが来ちゃうよ、ほら!

「コッペおじさん、パンをちょうだい」

にこにこ元気な小学生が来ちゃった。

「あ、またコッペおじさんが寝てるー」

お腹ぺこぺこの部活帰りの高校生も。

「コッペおじさんもいい年だから、しょうがないよ」

わんわん犬を連れた顔なじみのご近所さんも。

「本当はおじいさんだもんな」

外まわりで少しくたくたの会社員も。

お客さんに起こされ、コッペおじさんはへへへへと笑います。

「まだおじいさんじゃないんだけどなあ」

それを聞いて、お客さんがすかさず言いました。

「86歳なのに!?」

「いやいや、87歳だよ」

コッペおじさんはまたへへへへと笑います。


お客さんがぴかぴか笑顔で言いました。

「コッペおじさんのパン、おいしいね!」

「いつもいつもおいしいね!」

「もう一個、ちょうだいな」

「幸せの味がするなあ」

「へへへへ」

コッペおじさんの小さなパン屋は今日もみんなの笑顔でいっぱいです。

にこにこ

にまにま

ぴかぴか

へへへへ

いっぱいいっぱい笑うから、いっぱいいっぱいおいしいパンをあなたに届けますよ。

ねえ、コッペおじさん?

「ありがとうございました。また来てね!…ぐうぐう」


あらあら、コッペおじさんったら。





おしまい。







久しぶりに物語をかきました。かけて良かったー。こうやって少しずつかければいいな。

パン屋のモデルは東京の西荻にある「しみずや」さん。その店主であるコッペおじさんは、私の東京のお父さん的存在です。いつもありがとう。

パンのメニューはどれも本当にあって、どれも本当においしい。

あげクリームはみんなどハマり、通はあんパンや食パン、フランスパン(ふわふわ!)などの王道をたしなんだり、人生の迷い子はシベリヤやコッペパンでノスタルジックが刺激されて涙ぐんだり。

それぞれの食べ方、楽しみ方があるようで。そこにも素敵な物語があるんじゃないかな?

そういう物語もまた描きたい。そう思います。

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