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【アルファポリス様限定公開】  長編作品紹介
http://short2story.blog.fc2.com/blog-entry-256.html
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↓↓【第309夜】 aLIEz  ジャンル:サスペンス ↓↓
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大抵の人間は罪を犯したなど、実際、悪事に手を染めている時には気づかぬものだ。

少なくとも私はそうだった。

いいわけになるかもしれないが、その時はそれしか方法がなかったのだから―。

一人娘は、死んだ妻と同じ病だった。心臓を患っていたのだ。

移植しか手がなかったが、もうドナーを待つ時間もない。

ただ、救いたかった。それだけだ。

死に行く運命にある娘を。 いや、本当は―。


    *


その患者が、警察病院に搬送されてきたのは深夜のことだった。

私がその病院の医師として勤務していたのは、どこかすがるような気持ちで命のおこぼれに預かろうとしていたからかもしれない。ドナー以外に、娘に心臓を与えてくれる者を見つけるために。たとえ、合法的でなくても。そもそもドナーの登録者は少ない。その中でまた彼らの心臓が適合するか、しないかはもう運と言ってもいい。

私は運や運命という言葉が嫌いだった。

人の手の及ばないところで作用する力に祈ることしかできない、頼ることしかできないその言葉が―。すべては最初から決まっている、逃れられない必然であると強制してくるその言葉が―。

しかし、娘をその言葉の呪いにかけてしまったのは私だったのかもしれない。

警察病院に搬送されてきた患者は年若いが、巨悪な犯罪者だった。助かる見込みはなく、脳死状態に陥った。関係者はこの犯罪者の罪を法で裁くよりも手早く闇に葬り去ることを望んでいた。罪が明るみになると、関係者にも大いに飛び火する罪状だったのだろう。時々、そういった犯罪者の中でも特にわけあり者がこの病院に担ぎ込まれてくる。

いくらおこぼれだといっても、犯罪者の心臓など嫌悪してしかるべきだ。

しかし、その心臓は生きていた。健康な心臓が私のすぐ目の前にあったのだ。日に日に弱っていく娘の顔がふとよぎった。医者としての、人としての倫理など吹き飛んでいた。急いで娘の体に適合できるか検査した。時間との戦い、適合の運に私は勝利したのだ。

娘の元気な笑顔が目に浮かび、私は迷うことなくメスを握った。


    *


大抵の人間は罪を犯したなど、実際、悪事に手を染めている時には気づかぬものだ。

少なくとも私はそうだった。

いいわけになるかもしれないが、その時はそれしか方法がなかったのだから―。

ただ、救いたかった。それだけだ。

死に行く運命にある娘を。いや、本当は一人取り残される孤独に押し潰されそうだった私を…。


    *


私が罪を犯したことに気づいたのは、病院のベッドで目覚めた娘に果物ナイフで胸を刺された時だ。娘の笑顔は想像していた健やかで可愛らしいものではなかった。人を傷つけ、いたぶる愉悦と快楽に満ちていた。

「生かしてくれてありがとう、お父さん」

私を父と呼ぶ少女に、娘の面影はどこにもなかった。

「バイバイ」

罪の意識が死に至る恐怖をもまさり、どす黒く私の胸を濡らしていた。




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=影響を受けた作品のご紹介=
ここでは上の拙い物語がたぶん影響を受けたんじゃないかと思われる作品をご紹介します。 お時間や興味のある方はどうぞ~。

★SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki 『aLIEz』×アニメ『アルドノア・ゼロ』★  

この音楽を聞いて生まれた物語。主題歌になっていたアニメはSFロボットものでしたが、私の物語はこんな感じになってしまいました。SF、書きたかったのになんでだー。

① SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki『 aLIEz 』
https://www.youtube.com/watch?v=24K4oZjv01I
毎回、物語のヒキがいい。で、そこからEDに入る瞬間がカッコいいんですよ。個人的には、2期より1期が好きです。ラストは衝撃かもしれないけど…。

②アニメ『アルドノア・ゼロ』
PV
https://www.youtube.com/watch?v=AVg_lglQqfg
物語中に流れている音楽がまた素敵でした。
https://www.youtube.com/watch?v=vPpcqeigBQ4
MKAlieZ
https://www.youtube.com/watch?v=lRkBJY1mua0&list=RDlRkBJY1mua0#t=59


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↓↓【【第308夜】 一番遠い場所  ジャンル:青春 ↓↓
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君は好きな人と離れ離れになる。

例えば、そう…。

この世で一番遠い場所にその人が行ってしまう。

連絡もとれない。

会うことなんてとてもできない。

さあ、君たちは心を通わせられるだろうか?


    *


「…君は…いや、君たちは心を通わせる…通わせられる…通わせられ…られれる…?…あれ?ああ、もう!ここの台詞はあとでいいや。場面が切り替わるから、音響フェイドアウト。照明オン…」

高校の自習時間、自分の席で頭を抱えて呻っていると、後ろの席の新田くんに不意に呼ばれた。彼は私の肩に手を置き、人差し指を突き出す。振り向いた私のほっぺたが軽くつぶれる。ぷに。

「後ろって無防備だからいいなあ。これ、お約束だよね?」

新田くんはけっこう悪戯好きらしい。

「さっきから何を呻いてるの、本間さん?」

私はため息をついた。

「演劇部の脚本がうまくかけなくて…」
「本間さんって、演劇部なんだ?」

ぷに。ぷに。

「言ってなかったけ?そうなの。脚本担当なんです」
「へー、すごいじゃん!」

脚本を書いているというと、たいていみんなこんな反応だ。でも、実際はウワベだけというか、カタチだけというか、社交辞令というか、誉めてるわりにはたいして心がこもってなかったりする。なのに、どうも新田くんは違うようだ。こっちが恥ずかしくなるくらい「すごい」を連呼してくれた。

「…いや~、それほどでもあるような、ないような?」

誉められるのに慣れていない私は頭をかいた。謙遜をしているのか、していないのか、よくわからない受け答えになってしまった。

「どんなのを書いてるの?」
「宇宙と地球で離れ離れに暮らす恋人の話。究極の遠距離恋愛を描きたいです」
「どっかできいたことのある話だな」

言われると思った。

「最近、CMでよく流れてるじゃん。長澤まさみと高橋一生のCMでさ。宇宙飛行士の奥さんの帰りを地球で待つ旦那さんの。あれが元ネタ。で、もっと切なくいじれないかなあっと…」
「クラスの女子が騒いでたやつかな?」
「そうそう。演劇部でも『あれ、いいね!』って話題になってさ。部長に言われたんだよね。『うちの脚本家様、次はあんな感じの恋愛を、究極の遠距離恋愛を四露死苦(よろしく)!』って。もう、言うのは簡単だよね!楽だよね!」

つい愚痴をこぼすと、新田くんは私の部長のマネがツボだったらしい。ぷっと吹き出した。

「あはは!さすが演劇部、なりきるなあ!部長さん、元ヤンなんだ」
「笑いごとじゃないよー。こっちは必死なんだよー。助けてよー」

どこかの猫型ロボットに助けを求めたくなっていると、新田くんが机の中をごそごそと探る。そして、何やら取り出した。

「なんだ、スマホかー」

私ががっかりしていると、新田くんが首を傾げた。

「何が出てくると思ったの?」
「…え?青いタヌキとか四次元につながるポケットとか…」
「あはは!ごめんね、ドラえもんじゃなくて。俺もさ、そのCMを見てみようかなと思って。自習で先生もいないし、スマホを出しても怒られないでしょう。本間さんの力になれるかもしれない」

私は新田くんの手を握りしめた。

「…ほ、本間さん!?」
「今、思ったけど、新田くんっていい人だね!」

授業中、デキの悪い私が先生にさされた時、答えを後ろからこっそり耳打ちしてくれる。何かと困っている私をいつも助けてくれる。拝みたくなってしまうような人柄。そう言えば、顔も妙に仏像の優しげな面差しと似ているような…。後ろの席のあなたは、なんて神々しいんだ!

「…はあ。席替えしてしばらくたつのに、いい人どまりか。ひどいなあ、本間さん」
「たまたま席が近くなって新田くんとよく話すようになったけど、こんなにいい人だったなんて!ここ、いい席だよ~。席替えの時、窓際を選んで正解!」

私がにんまりすると、新田くんが苦笑した。

「…たまたま、ねえ…」

うちのクラスの席替えは自分の好きな席が選べるけど、ちょっと変わっている。席替えの時、いったん全員が廊下に出て、まず先に女子だけが教室に入り、決められた女子の席の中から自分の好きな席を選ぶ。それから男子とチェンジして、男子も同じように、決められた男子の席の中から自分の好きな席を選ぶ。その後、廊下で待っている女子を呼んでご対面というか、新しいみんなの席のお披露目となるのだ。実は女子が席を選んでいる間、教室のドアが少し空いていることを、その隙間から男子がこっそりのぞきみしていることを女子は知らない。

「こんなに近い席なのに、一番遠い場所かもしれないなあ。心の距離がこう果てしなく遠いというか…」
「へ?」
「ううん、なんでもない」

彼はまた人差し指を突き出す。私のほっぺたが軽くつぶれる。

「俺の究極の遠距離恋愛の話です」

……ぷに?







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=影響を受けた作品のご紹介=
ここでは上の拙い物語がたぶん影響を受けたんじゃないかと思われる作品をご紹介します。 お時間や興味のある方はどうぞ~。

★長澤まさみ&高橋一生CM『dTVふたりをつなぐ物語篇』×Bruno Mars『Talking to the Moon』★  

これが今年初めてのショートショートのUPになります。遅すぎかもですが、今年もよろしくお願いします。たまたま読書の息抜きで見た素敵CMに、うっかりハマり、気付けば物語が生まれていました。私のはふざけていますが。高校の演劇部が舞台の話はいずれまた書きたいな。

① 長澤まさみ&高橋一生CM『dTVふたりをつなぐ物語篇』
なんとなく新海誠作品の世界観に通じるようなCM。宇宙から地球を眺める長澤まさみさんの表情にぐっときます。そして、私の好きな高橋一生さん。彼はこういう役が似合うなあ。
CM
http://pc.video.dmkt-sp.jp/ft/s0004060#

② Bruno Mars『Talking to the Moon』 
CMの音楽もあっていて即入手。
https://www.youtube.com/watch?v=k0DbpCbGrsQ




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