良ければ、先にこちらをどうぞ。
【目次】 『或るアプレ記者の回想(仮)』シリーズ 【作品紹介】
http://short2story.blog.fc2.com/blog-entry-314.html
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『 …あの人は中学を出るとすぐに、与謝から京へきて、…寺の小僧はんにならはりましたんどす。せやけど、天性の どもり ですよってに、みんなから阿呆にされはって…ひどい目ェにおうて、大きゅうならはったんどすがな。けど、ひねてしもうて…人さんの顔をよう見んほど、卑屈な気持で生きてきやはりましたんや。お経さんもよむのに、大きな苦労やいうといやした。あの人は…寺で、えろう苦労してはるんどす…。 』

    *

昭和二五年、七月二日正午頃。

警察と消防の情報公開は、私たちの知っているものとそんなに変わらなかった。ただ、金閣寺の火災の原因になった寝具(蒲団・蚊帳)等が発見され、それが若い修行僧のもので放火の可能性が高いこと。そして、その修行僧がいまだ行方をくらましていることだけだった。

「情報公開ってこんなものなんだ…」

というのが、当時の私の率直な感想だった。ある人の手を借り、生意気にも私は学生の分際で新聞記者に扮し、こっそり現場(金閣寺)に忍び込んでいた。

「まあ、こんなものでしょうねえ」

というのは手を貸してくれた知り合いの新聞記者・フクダさんだ。彼はそれで納得しているようだったが、隣りにいるは女性新聞記者はそうではない様子だった。フクダさんとは商売敵という凄腕記者スエツグさんである。

「だからって、『はいはい。そうですか!』って、こっちは帰れないのよ。もっと話をきかせてもらわないと!ちょっと、ワカギさーん!」

と息巻いて、若い警部に近づいて行った。私とフクダさんは顔を見合すと、頷きあって、きびきびした彼女の背中を追っていった。ワカギと呼ばれた警部はスエツグさんの存在に気づくと、「げ!」とあからさまに嫌な顔をした。

「な、なんでスエツグさんが、ここに!?」
「『事件のあるところに、スエツグあり』よ!そんなの当たり前の常識でしょう!」
「そんな常識、知りませんよ!」
「で、さっきの情報公開は何?あんなのとっくに私たち記者はつかんでるわよ!」
「もう勘弁して下さいよー!自分はまだ警部見習いなんですから!!」

くってかかるスエツグさんにワカギ警部見習いはひるんだ。それを見た彼女はいきなり態度を変えた。勇ましさをひっこめ、彼に同情的なまなざしを向ける。

「優秀な消防と警察が、こんなむざむざと金閣を全焼させるなんて私は信じられないの」
「え?」
「去年の法隆寺の火災事故といい、あなた方は悔しい思いでいっぱいでしょうね。消火活動に落ち度はなかったか、こういうとき何かとせめられるわ。私はね。法隆寺火災の原因は、修復士が暖をとるために持ち込んでいた家電の不始末のせいじゃないかと思っているの。…でも、それを表沙汰にできない事情があった」
「……どうしてそれを?」
「私たち記者をなめないで。真実を見ぬく目は、日頃のあなた方の情報提供のおかげよ。警察のみなさんの助力があってこそなんだから!」
「…スエツグさん…!」

ワカギ警部見習いの表情が変わった。私は凄腕女性記者スエツグさんの『凄腕』部分を垣間見た気がした。

「…今回も寺側の落ち度というか、何か理由があったんじゃない?」

ワカギ警部見習いはあえなく落ちた。

「…そうなんですよ。なんでも、ここの火災報知機が壊れてたらしいんですよ!」
「…火災報知機が壊れてた?」
「手抜かりですよ。きちんと設備点検していたかもあやしいですね。ったく、何やってんだよ!っていう…」
「なるほどね。…あと、いなくなった若い修行僧についてはどうなってるのかしら?」

ワカギ警部見習いは真剣な面持ちで言った。

「舎利殿(金閣)内の国宝・足利義満像の焼け跡近くで蒲団の燃えかす、蚊帳のやけのこりが見つかっています。その布団や蚊帳は修行僧の部屋からなくなっていたものです。さらに藁らしいものの灰まであった。私たちは彼をほぼ放火犯とみていますよ。ただ、関係者に事情聴取してみると、その修行僧は『放火するような奴にはみえなかった』というんです。でも、姿がないのはおかしいですからね。これから大規模な捜索が始まります」

私は思わず、声をあげた。

「…大規模な捜索…?」

ワカギ警部見習いとフクダさんは同時に答えた。

「山狩りですよ」


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引用文献(冒頭)
・水上勉『五番町夕霧楼』 
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やっぱり長くなってしまいましたね。すみません。物語はもう少し続きます。

内容のネタバレの可能性があるかもしれないので影響を受けた作品の詳しい紹介はラストに。同じ理由から、コメント欄も閉じさせて頂きました。申し訳ありません。1話で全ておさえたかったんですけど、やっぱり長くなりそうなので。さあ、頑張って続きを書かねば!あ、これくらいは紹介できるかな。

★ サカナクション『僕と花』
https://www.youtube.com/watch?v=scV4N5tkWbU
聞いてた音楽です。piano Ver. も見つけました。
サカナクション『僕と花』 piano Ver. 
https://www.youtube.com/watch?v=fPD-AWTG0V4

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ああ。

音が、消えた。

    *

「ジン先生、いるー?」

玄関の引き戸が開けられる。

「いないのー?」

俺の「いらっしゃい」の言葉を待つこともなく、今日も彼女は勝手に靴を脱ぎ、我が家にあがってきた。

「あ・た・し・でーす!」

廊下を高校指定のハイソックスで楽しそうに滑り、居間でくつろいでいた俺を発見した彼女は、嬉しそうに軽やかに跳ねた。制服のチェックのスカートが揺れる。

「なんだー、いるじゃん!」
「俺んちだからな」
「ジン先生、一人暮らしでさびしいでしょう?パジャマでおじゃまー!」
「もしかして、『おじゃまします』っていいたいのか?言ってる言葉がおかしいぞ、女子高生!?(ちなみにパジャマ姿は俺なんだけど)」

彼女はむっとした。

「女子高生じゃなくて、サキです!ノカゼ サキ。いい加減、名前を憶えてよ!」

俺は笑った。

「覚えてるよ、女子高生だろ?そのへんの」
「覚えてなーい!」

彼女は後ろから飛びついて、自分の細腕を俺の首に絡めた。彼女が外から連れてきたのだろう。一緒に春の香りがした。

「しかもモブ扱いだしー!」

グッとその腕に力がこもる。しまった、これは全く色気なしの絞め技か!

「女子高生!セクハラ、やめてー!」

俺は叫んだ。

「何よー。ここは喜ぶところでしょう?女子高生と触れ合ってるのに。言ってる言葉がおかしいぞ、スランプ作曲家!」

今度は俺がむっとした。

「スランプとかいうなよ、人が気にしていることを…」

彼女は笑った。

「だってジン先生、あたしの名前、全然覚えてくれないじゃん。仕返しだよ。なんかもう、だめだね。スランプこじらせすぎて、かわいくないよね?」
「…だめとかいうな。しかも三十路手前のおじさんに、かわいさを求めるなよ!」
「あらあら。ふくれちゃって。いきなりかわいくなったね、ジン先生」

俺はあきれた。

「…そうか。わかった。言ってる言葉がおかしいんじゃないな。おかしいのは、お前の頭だ!」

それを聞いたサキはさらに腕に力を込めた。本当は苦しくなんてなかったが、そこは大人。苦しんでいるふりをする。「ギブギブ!」と彼女の腕をたたいた。満足したサキは俺からゆっくりと離れていった。春の香りも一緒に消えていく。それが名残惜しいと思うのは気のせいだろうか。気の迷いだろうか。そのあたりは深く考えないようにする。

「さあ、はじめよう!」

目の前で、彼女の笑顔が咲いた。いつものように場を仕切られ、いったいどっちが先生なのかわからない。俺はため息をついた。また今日も俺たちの『レッスン』が始まろうとしていた。

    *

かつて。

偉大な作曲家がいました。かく曲、かく曲、ヒットに恵まれ、音楽にも、人にも、愛された作曲家が。

数多くのアーティストから依頼が殺到、街中で彼の音楽を聞かない日はありません。子供からお年寄りまで、彼の音楽を口ずさんでいました。

でも、いつしかそれはだんだんと偉大な作曲家を苦しめていきます。

世間の評価とプレッシャーに押しつぶされそうになり、徐々に彼の心は疲弊していきました。豊かだった才能もかげりが見え始めます。偉大な作曲家は彼にとって一番大切な『音』を、『音楽』を、見失ってしまったのです。

    *

「伴奏なんて、どうしてひきうけちゃったんだろう…」

女子高生のサキはグランドピアノの譜面台をにらんでいた。そこには彼女が卒業式でひく予定の『遠い日の歌』の楽譜があった。

「ジン先生、私の代わりに卒業式でひいてよ」
「嫌だよ」
「どうせ暇でしょう?」
「暇とかいうなよ。本当のことだから傷つくだろ?」

そう言って俺は肩を落とした。それを見てサキは楽しそうに笑った。

「自分で言って傷ついてどうするの?」

俺はやれやれと楽譜を指差す。

「ほら、笑って気分転換になっただろう?じゃあ、続きはじめるぞ」

サキは鍵盤に指をのせたが、すぐ膝の上に下ろした。

「どうした?」
「…ジン先生は優しいよね」
「え?」
「優しいから、ピアノの先生もひきうけてくれたんでしょう?」

サキはある日、突然俺んちにやって来た。東京でスランプに陥っていた俺は、亡き祖母の残した古民家のある田舎に逃げてきたばかりだった。それをどこでどう聞き間違えたのか、彼女は有名なピアノの先生が近所に越してきたらしいとの噂を耳にし、うちにやって来たのだ。

「別に優しくなんかないさ。俺がいま人の期待にこたえられないから、たぶんお前にもそうなってもらいたくなかっただけだ」
「…ほら、優しいじゃん。本当はピアノから離れたかったんじゃないの?でも、私が来てそうできなくなっちゃってさ。ごめんね」

俯いたサキの頭を撫でてやる。

「俺はいいリハビリになってるから気にするな。っていうかお前は自分の価値をわかっていないな。女子高生は最強なんだぞ。困ってたら、たいていの人間(男)は助けるさ」
「…先生ってカッコいいの?悪いの?どっちなの?よくわかんない。でも…」

彼女は顔を上げ、手招くと、俺の耳元でそっと囁いた。

「いい人ね!」

それを聞いた俺は腹を抱えて笑ってしまった。さすが女子高生!もしかしたら、そのセリフだけでたいていの男を半泣きにできるぞ!

  *

かつて。

偉大な作曲家がいました。彼は自分の中で容易にその『音』にふれることができました。

手を伸ばした先には『音楽』というものが存在していたのです。彼はただ『音』にふれて『音楽』をきいただけでした。それが彼にとって『普通』のことで、『音楽』を『生み出す』つもりなんてなかったのです。でも、彼の『音楽』をきいた人々はそれを『普通』とは思わず、彼の特別な力だと思いました。そう言って、彼の『生み出す音楽』に勝手に酔いしれていったのです。

偉大な作曲家は、自分が人と違うことに気付き、ショックを受けました。彼にとって『普通』のことは、人々にとって決してそうではなかったのです。それがだんだんと彼を苦しめていきます。人と違うことに悩み疲れ、徐々に彼の心は疲弊していきました。そしてある日、自分の『音』にふれることができなくなりました。彼の目の前から『音楽』が消えていたのです。

    *

そろそろピアノレッスンも仕上げに入る。そのくらい上達した頃、サキが突然姿を消した。毎日のように、我が家に来ていた女子高生はいきなり俺の目の前からいなくなった。

「おーい、卒業式の伴奏はどうするんだ?」

(返事なし!)

「卒業生がかなしむぞ?違う涙を流しちゃうじゃないか?」

(返事なし!)

「女子高生がいくら最強でも、いきなりいなくなるとか、やっていいことと悪いことがあるだろう?」

(返事なし!)

「…俺、幻でもみてたのかな?」

(…座敷童子か!?)

最後は自分で返事をしていた。そして、そのバカさ加減にあきれた。取りあえず、彼女が事件とかに巻き込まれてないかだけ気になった。何も言わずに、いなくなるような子に見えなかったから。無事なのかどうか、ただそれを確認できればいい。そう思って慌ててスマホに手を伸ばしたが、その時になってようやく俺は気づいた。彼女の連絡先を知らないこと。俺が知っているのは彼女が女子高生だということと名前だけだった…。

そう言えば出会った頃、俺が自分の名を「ジン」と教えると、彼女は「なら、『ジン先生』って呼ばないとね!」と笑っていた。「作曲家じゃなくてお医者さんの方がしっくりくる呼び方だけど」とも。

…ジン先生…医者……?

『サキです!ノカゼ サキ。いい加減、名前を憶えてよ!』

…って、おい。まさか…。

こら、女子高生!その名前、某漫画(ドラマ)のヒロインふたりの名前を並べただけじゃないか?

思いきり偽名だったとは!

    *

あたしは桜並木の下を歩いていた。卒業式が無事終わり、慣れ親しんだ通学路を惜しみながら。

「ジン先生は元気かな?」

あの人はきっとあたしを知らない。本当の名前も。あたしが何者なのかも。

ある日、田舎町に突然現れた作曲家を人々は面白おかしく噂した。あたしは彼がこの街にいることを知った時、とても驚いた。だって、恩人が現れたから。あたしは彼の音楽のおかげで自分のスランプを抜けることができたから…。でも、そんなあたしが彼のスランプの原因を作ってしまうことになるなんて思いもよらなかった。

「ジン先生、怒ってますか?」

無意識に先生の家に向かっていた。もう彼がスランプを、それをさらにこじらせてないことも知ってる。私がいなくなって、あの家からたくさんのピアノの音があふれていたことも。もがくように、あがくように、先生が自分の『音』を探り当てて、ようやく旋律と出会ったことも…。

それを聞いたあたしは「ああ、春が咲いた」と思った。冬の厳しさに耐え、芽吹くことを忘れず、音の花が開いたんだな、と―。

「良かったね、ジン先生」

玄関の引き戸が開けられる。

「いらっしゃい」

あたしを迎えてくれたジン先生は、驚いたことにスーツ姿だった。

「来るとしたら、近くの高校の卒業式がある今日だと思ったよ。俺がお前から教えられたのは、女子高生ってことだけだったから。名前は偽名だったしな」

私が気まずい笑みを浮かべると、ジン先生はやれやれと笑った。

「いや、ただの女子高生じゃないな。小説家だったんだな」

私は居間に案内された。推薦入試ですでに大学が決まっていた私には思っていたより時間があった。だから卒業式の伴奏もひきうけたし、少し前まで毎日のように、ここに通った。

「前にタイミングの悪かった仕事があった。女子高生作家の新作が映画になる。その映画サントラ依頼だ。お前の小説の映画化だったんだな。自分のせいで俺のスランプが始まったと思ったんだろ?だから、俺のところに来たのか?」

ジン先生はため息をついた。

「別にお前のせいでスランプになったんじゃない。勝手に俺が自分を見失ってただけだ。時期が悪かった。うぬぼれるなよ、小説家!」
「…ジン先生は優しいよね」
「え?」
「優しいから、女子高生のピアノの先生もひきうけてくれたんでしょう?」

女子高生作家として早々にデビューしたものの、あたしは新作を書けずに苦しんでいた。その時、あたしを助けてくれたのがジン先生の音楽だった。彼のそれは爽やかな風のようだった。あたしの中に吹き抜け、よどみないまっさらな『言葉』を届けてくれた。そうして生まれた小説が話題となり、映画化の話が舞い込んだ。でも、何より嬉しかったのはその映画の音楽を担当してくれる予定がジン先生だったということ。

「お前がいなくなってから、仕事の整理をしたんだ。すでに断った仕事の中に、参考資料として映画の原作小説も一緒にあった。著者の写真を見て、ようやくわかったよ。映画、悪いことをしたな。本当にごめん」

あの映画は、結局他の人が音楽を担当することになったのだ。

「ピアノを教えてくれたからいいの。ちゃんと卒業式の伴奏もできたんだよ。凄いでしょう?」

突然いなくなったあたしのことをジン先生は責めなかった。もしかしたら、気づいていたのかもしれない。あたしの気持ちに。何よりあの時、あたしが自分自身の気持ちに戸惑ってしまった。だから、先生の前から逃げ出したのだ。憧れの作曲家はもう憧れの人ではなくなっていたから…。逃げ出したのは、あたしも一緒だ。

「お前は本当に最強の女子高生だったな」
「ジン先生は詐欺師だったよ。あんな爽やかな音楽をつくる人が、こんなネガティブだとは思わなかった。音楽詐欺!爽やか詐欺!今日はスーツなんか着てどうしたの?カッコよくなっちゃってさ。もっと詐欺!!」
「なんだ、それ!俺、仕事モードはいつもスーツなの。それに今日は誰かさんの卒業祝いもあったんだ。なのにその言い草、ひどくね?」

あたしたちは笑った。ジン先生もあたしも、もう大丈夫だ。だから、お願いしてみた。

「ねえ、良かったらジン先生の新曲を聞かせて。あたし、頑張って歌詞を書くから。おかしい言葉、フル動員させるよ」
「女子高生!セクハラ、やめてー!俺の音楽まで」

あたしは、コホンと咳ばらいをした。

「…言っとくけど、もう女子高生じゃないよ」

ジン先生があたしの手を取る。

「知ってる」

そして、グランドピアノに向かった。

「でも、俺の生徒だろ?さあ、はじめようか?今日のレッスン」
「…言われて初めて気がついたけど、そのセリフちょっとヤラシイね…」
「いつもお前が言ってたセリフだろ?ただ、ピアノをひくだけだけじゃないか。ヤラシイって言うやつが一番ヤラシイんだぞ、元女子高生!」

あたしはむっとした。

「…元女子高生って言い方、なんだか嬉しくなーい!」

ジン先生は笑いながらピアノの椅子に座った。

「そうか?俺は嬉しいぞ。大人の階段、のぼってるってことだ」

彼は顔を上げ、手招くと、あたしの耳元でそっと囁いた。

「早くお前が俺のとこまで来てくれると、もっと嬉しいけどな」

あたしはお腹を抱えて笑っていた。さすが偉大な作曲家!もしかしたら、そのセリフだけでたいていの女子を半泣きにできるよ!

「さあ、はじめよう!」

グランドピアノの鍵盤に、繊細な彼の指が落ちる。



ああ。

音が、咲いた。



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=影響を受けた作品のご紹介=
ここでは上の拙い物語がたぶん影響を受けたんじゃないかと思われる作品をご紹介します。 お時間や興味のある方はどうぞ~。

青春モノは参考資料読まなくていいから気楽でいいや。ちなみに作中の偽名のネタバレは村上もとか『JIN-仁-』みたいですね。 ドラマ化(大沢たかおさん主演)にもなったので、有名かもしれません。物語を書いてて一番困ったのはタイトルでした。読み方は「おとはな」でも「おとばな」でもどちらでもよし。二文字の漢字で、なんとなく携帯小説みたいな感じを狙ってみました。

★ 安藤裕子『パラレル』 ★
https://www.youtube.com/watch?v=Ky2Pl6nwY0o
この音楽を聞いて生まれた物語。最後に彼が聞かせてくれる新曲はこのイメージ。彼女がのせるだろう歌詞も。ただこのPV、ねえやんこと安藤裕子さん本人のインパクトがかなり強いものになっています(私はカッコいいと思うのですが!)ドラムもいいんですよ。さあ、耳をすまして、ぜひピアノの音を探して下さると嬉しいです。

ついでにこちらもどうぞ。女子高生が伴奏した曲。『遠い日の歌』
https://www.youtube.com/watch?v=9Q3EUaU5N4c
私が中学生の時、卒業式で歌った曲です。(高校はギリギリまで大学受験に追われてたせいか、卒業式のことはさっぱり覚えてません)確かこれだったと思う。あと合唱曲で個人的に好きなのが、コンクールで他のクラスが歌っていた『フレトイ』というもの。良ければ、こちらもどうぞ。
『フレトイ』
https://www.youtube.com/watch?v=NbIHZGTOkgA

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みなさま、いつもありがとうございます。

物語のUPが遅れております。申し訳ありません。(ちなみに「或るアプレ記者~」、もう少しお時間を頂きそうです。読みたい資料が書店を探しても全く見当たらず、ようやく地元の図書館で見つけ、借りることができました。それを読んでから書くと思いますので、けっこう時間がかかりそう。案外、資料を読むなんて決めない方がサクッと書けたような気がする…なんか反省が多いなあ)
【第176夜】 或るアプレ記者の回想(上)
http://short2story.blog.fc2.com/blog-entry-207.html
【第177夜】 或るアプレ記者の回想(中)
http://short2story.blog.fc2.com/blog-entry-208.html

お待たせするのもなんですし、私も浮気癖がありますので、もしかしたら先に他の物語をUPするかもしれません。淑玲やら他の物語やら。とは言っても私の次回予告はよく外れます。もうしばらくお待ち下さいませ。

そうそう。お気づきかと思いますが、テンプレートを変えてみました!

それというのも、私の好きな作家に恩田陸さんという方がいて、その方の短編で「象と耳鳴り」という魅力的なタイトルのミステリがあります。その装丁がまた素敵なんですよ。これこれ。

恩田陸「象と耳鳴り」
http://www.amazon.co.jp/%E8%B1%A1%E3%81%A8%E8%80%B3%E9%B3%B4%E3%82%8A-%E6%81%A9%E7%94%B0-%E9%99%B8/dp/4396631588

ほら、ちょっとこのテンプレと似ていませんか?見つけた時に、一目ぼれしまして。最近書いてるのもそうですが、今レトロなのが個人的にヒットなのかもしれません。

実は「象と耳鳴り」も恩田さんが過去に出会った外国のミステリ小説の装丁を真似たのだそう。それというのがこちら。

バリンジャー 「歯と爪」(上段真ん中あたりの画像)
http://image.search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&fr=top_lt1_sa&p=%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC+%E6%AD%AF%E3%81%A8%E7%88%AA+%E5%89%B5%E5%85%83#mode%3Ddetail%26index%3D2%26st%3D303

そっくりでしょう?どうしてこんなことになったのか、以下、恩田さんの担当編集者さんのお話なのですが…。

『(「象と耳鳴り」の)ゲラの準備を進めていたころ、装幀などもそろそろ煮詰めなければと打ち合わせに入った新宿N屋地下の喫茶店で、恩田さんはおもむろに一冊の古本を取り出しました。「今朝、古本屋さんでやっと見つけました。今度の本の装幀はこれにしてください」「こういうイメージということですか?」「そうじゃなくて、これそっくりにしたいんです」その本というのが40年前に東京創元社からクライムクラブシリーズの一冊として出たバリンジャーの『歯と爪』。緑白ツートーンの簡易箱装された新書でした。たしかに古き良き時代の洗練されたブックデザインです。装幀したのは『暮らしの手帖』で知られる花森安治氏。さっそく東京創元社現社長の戸川さんに花森氏のお嬢さんを紹介していただいて、ご快諾を得ました。「私だって入社する前の本ですよ」という戸川社長によれば、花森氏自身が雑誌の犯人当て企画に、異ジャンル代表として参加するほどのミステリファンだった、なんて話も聞けました。「このデザインだと、タイトルも『○と×』というパターンじゃないとだめなんです。だから表題作は『象と耳鳴り』にしてください」と恩田さん。昨今の書店さんの刺激いっぱいの新刊売場で、この地味なデザイン、地味なタイトルが、どこまでウケるかという懸念は、幸いなことに杞憂でした。ちなみに『歯と爪』は文庫になった際、解決編部分が袋とじにされ、帯に『袋とじを破らずに、その前の頁で読み終える人には返金保証する』旨が明記されて話題になってます』

面白くないですか?こういうエピソード、私とても好きなんですよね。作家と編集者ウラバラス的な。私はミステリは書けないのですが、今書いている「或る~」(だんだん略がテキトーに…)が少しでもミステリ要素を織り交ぜられればいいなあ。本音を言うと、歴史×青春×文学×ミステリを狙いたいところなんですけど。(欲深かった…)すこしでもあやかれるように、しばらくこのテンプレでいこうかと思います。

でもこのテンプレ、記事UP専用らしく、コメント欄とか元々ついてないみたいなんですけど…。まあ、短期間だしいいか。ご用のある方はメッセージまたはメールフォームをご利用下さい。

せっかくなので、最後に恩田陸さんのおすすめ作品のご紹介も!

恩田さんはミステリ作家さん。私の中では「青春×ミステリ」作家という位置づけです。彼女の描く学生が爽やかで大好き。もしかしたら、私の描く学生像ってかなりこの方の影響を受けているのかもしれません。(私は「夜のピクニック」以前の作品が好きで、実は最近のはあまりよんでいないのですが…)

オススメは…

・恩田作品初心者さんにすすめる短編と言えば「図書室の海」。初期恩田作品の良さが詰まってると思います。(以前、影響を受けた作品として紹介したかも)

・文句なしに面白かった長編は(本を貸した友人にも全員好評だったのは) 「上と外」
楽しい夏休みをむかえるために訪れた外国でクーデターに巻き込まれてしまった、わけあり日本人家族。アマゾン奥地に取り残された兄妹。彼らの命がけの脱出劇です。出だしの文章から引きこまれます。

・読み返したくなる青春ミステリと言えば、「六番目の小夜子」(こちらにでてくる関根ファミリーは「象と耳鳴り」にも登場)「ネバーランド」「麦の海に沈む果実」(ファンが一番多いであろう「理瀬シリーズ」です。その完結編と言われる「薔薇の中の蛇」の刊行を心待ちにしてるんですが、一体いつでるんだ?)」「夜のピクニック」は本屋さん大賞に選ばれたから有名ですね。

・映像化に大成功したと思うのは「木曜組曲」。キャスト&脚本ともに映画、素晴らしかった!本もそうですが、頭のいい女性作家たちの推理合戦、心理描写が凄かったんですよ。本と映画は微妙にオチが違うので、本だけ読んだ方も必見!
「木曜組曲」の映画予告など
https://www.youtube.com/watch?v=4pBkhjyjgDA
https://www.bandaivisual.co.jp/mokuyou/main.html

・ジャンルで言うとファンタジーなのかな。不思議な能力を持った常野(とこの)一族の話。「光の帝国」

・個人的に一番好きなのは、「三月は深き紅の淵を」でしょうか。「この人、凄い作家さんかも!」と呻りました。4つの短編構成ですが、すべて同じある謎の本をめぐるミステリ仕立て。後に恩田さん自身が書くことになる物語の原型がここにたくさんつまっいて作家の創作ノートをみているみたいな面白さがありました。ここから「黒と茶の幻想」「まひるの月を追いかけて 」「麦の海に沈む果実」などが生まれたかと思うと「おおー!」となります。

とりあえず、パッと思いついたのを上げてみました。良ければ、ご一読下さいませ~^^

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【けいさんの素敵サプライズ】
なんと『1001夜ショートショート』訪問者数20000hitとなりました。(最近、更新度が下がり、アクセス数が減るのがかなしくて2重カウントにしました。でも、2万hitとな!ブログ初めて1年半。多いのか少ないのか正直よくわかりませんが、2万はすごい!と自分で勝手に喜んでいます。みなさま、ありがとうございます!)それを記念して、ブロとも・けいさんのブログ「憩」で、お祝い&紹介して頂けたんです。なんと私自身がけいさんの青春小説「夢叶」メンバーと共演しています。何気に私の書いた、ミヤザワ先生も活躍しているんですよ。ちなみに「夢叶」と言えば、私の自分的小説ブログ大賞第1回受賞作品ですよ!人様の作品で自分の物語がこんなふうに紹介されたのも初めてで、とてもドキドキしています。良ければ、みなさんも楽しんで下さいね。けいさん、本当にありがとうございました!けいさん。お時間を頂きますが、お礼ができたらいいなと思っています!少しお待ちくださいね^^
けいさんのブログ「憩」
http://meuniverse.blog10.fc2.com/
ほんの気の迷い企画 1
http://meuniverse.blog10.fc2.com/blog-entry-330.html

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【limeさん作品紹介】
私のブロともにlimeさんという「この人、プロの作家さんではないか!?」という卓越した文章力と物語センスをお持ちの方がいらっしゃいます。感覚型の私とは反対のプロット型物書きさんです(ちなみに上でご紹介した、けいさんもそのタイプ)。今回アルファポリスさんの「ドリーム小説大賞」というのに参加されています。実は、前のアルファポリスさんの「ミステリー大賞」で受賞された経歴をおもちです。でもその時は大賞特典の書籍化がなく、ファンとしては「なぜなの、アルファポリスさん!?むむむ!」といった心境でした。個人的には書籍に必要な枚数(分量?)が足りなかったのかな…と思っています。なら、今回の大賞でダブル受賞を狙いましょう!これで枚数もOKでしょう!もう書籍化しちゃいましょうよ、アルファポリスさん!!という感じで、一人で勝手に盛り上がっています。(limeさん、すみません)良ければ、みなさま、ぜひご一読ください^^
limeさんの (雑記)ドリーム小説大賞にエントリー & 失敗談
http://yoyolime.blog83.fc2.com/?no=897
limeさんの 「ドリーム小説大賞」参加作品 モザイクの月 あらすじ
http://yoyolime.blog83.fc2.com/blog-entry-813.html

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そうそう。良ければ最後に、最近私が感動したグレアム・ムーアさんのスピーチを!

アカデミー賞「脚色賞」に輝いたグレアム・ムーア、感動の受賞スピーチ
http://genxy-net.com/post_theme04/movie20150224-2/

私はこの舞台に立つことなんてとてもできませんが、彼の声をつないでいくことができたらと思います。これからも『1001夜ショートショート』をどうぞよろしくお願いいたします!


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