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神様に愛された人間というのがいる。

才能にあふれ、まるで約束されたかのように表舞台に颯爽と登場し、人々の賛辞と脚光をあびる人間が…。

反対に、神様に愛されない人間というのもいる。

大した才能もないくせに、夢を追いかけ、神様に愛された人間の前で立ちつくすことしかできない憐れで滑稽な人間が…。

俺は一体どっちだったろう?  


    *


「あなたのピアノは完璧ね」

いつも正解を引き当てる。きっとあなたの性格が出ているのね、と先生はいった。あの頃、ジュニアのピアノコンク―ルで入賞常連だった俺は先生のそんな評価すら誉め言葉だと思っていた。笑える話だ。

「とてもコンクール向きだと思うわ」
「ありがとうございます、先生!」
「でも、神様に…」

その先に続く先生の言葉をこの時の俺はまだ知らなかった。それが幸せだったのか、不幸だったのか、一人の少年に出会ったことで知ることになる。

名前はユウキ。

近所に越して来たばかりのはにかみやの少年で、ある日、俺のピアノの音につられてやってきた。

「お兄ちゃん、何してるの?」

うちの庭の窓ガラスにユウキはベタッと貼りついていた。普段はにかみやの少年がなぜか物々しく俺を凝視する。そのギャップに俺は笑ってしまった。

「ピアノを弾いてるんだよ」
「ピアノって、その黒いやつ?」
「そうだよ。いい音だろ?」
「うん、キラキラしてる」
「キラキラ?」

別にこの時の俺はモーツァルトの「きらきら星変奏曲」を弾いていたわけじゃない。まあ、表現はつたなくてもユウキがまだ小さいなりに俺の演奏を誉めてくれたことはわかった。

「ありがとう、嬉しいよ。俺がつくった曲なんだ」
「え、お兄ちゃんがつくったの?」
「そうだよ」

コンクールの課題曲、自由曲は全て準備した。それこそ、ぬかりなく完璧に今回も。だから、この時の俺はちょっと息抜きをしていた。自分の中であふれる熱をもてあましていたのかもしれない。あの頃の俺は神童と呼ばれていたから。楽譜を開けば、正確なメロディが頭の中に流れ出す。どう演奏すればいいか作曲家たちは適格に教えてくれる。難解と呼ばれるバッハでさえ神童はその熱でのみこんでいた。

「すごい!僕もそれ、やりたい!!」

はじめて自分でつくった曲をほめられて、うかれていたのかもしれない。俺もしょせんはガキだった。ユウキとそんなに年もかわらないガキだったのだ。

「いいよ。教えてあげるよ。こっちにおいで」

俺は少年を手招いた。この時、不幸を手招いたとも知らずに…。

「おまえ、名前は?ちゃんときいたことなかったよな」
「ユウキだよ。お兄ちゃんは?」
「俺?俺は、そうだなあ。ハーメルンとか?」
「ハーメルンってお兄ちゃん、外国人だったの?髪は黒いし、目も青くないよ!?」
「日本人だって。ユウキが俺のピアノの音につられてやってきたからそう言ってみただけ。ハーメルンの笛吹きのピアノ版みたいなもんだろう…って、あれはあんまいい話じゃなかったんだっけ?」

冗談めかしてそういうと、ユウキはなぜかはにかんだ。

「だって、キラキラしてたから。今まできいた中で一番きれいだったから」

俺は嬉しくなり、ユウキの頭をくしゃくしゃと撫でた。すぐに俺たちは仲良くなった。でも、数時間後ユウキはそのはかりしれない才能で、あっさり神童ハーメルンを越えていった。

「わあー、ピアノってけっこう簡単なんだね!」

彼のあふれる熱に、俺は容赦なくのみこまれた。

この日から、俺はおかしくなった。楽譜を開いても頭の中にさっぱりメロディが流れてこなくなったのだ。作曲家たちはそろってそっぽを向き、何も語らなくなった。本当の神童の存在に気づき、そっちに行ってしまったのかもしれない。俺はあっけなくピアノを弾けなくなってしまった。先生に相談すると、彼女はユウキを自分のレッスンに誘いだした。「ユウキくんは天才ね。きっと神様に愛された人間なんだわ」と彼女は目を輝かせ、俺に見向きもしなくなった。ユウキはコンクール入賞の常連と化し、プロの声がかかった。

「なんで?」

なんでユウキがそうなるの?俺じゃなくて。しかも神様に愛された人間ってなんですか、先生?ユウキは何もかも俺から奪っただけなんだよ。しょせんは俺の後釜でしかないじゃないか。そんなユウキが神様に愛されるって―

「おかしいだろう?」

きっとユウキがプロなんてそんな大舞台に立ったら、急に足が竦んじゃったりするんだ。演奏どころじゃなくなるんだ。すぐにあいつの化けの皮が剥がれる。

「お兄ちゃん、どうしてピアノを弾かなくなったの?」

お前のせいで弾けなくなったんだよ。

「お兄ちゃん、僕の演奏会に来てくれるよね?」

ああ。

「もちろん」

行って、この目でお前の無様な姿を見てやるさ。

「楽しみにしてるよ」

でも、ユウキは演奏会で大成功をおさめた。観客席で無様な姿をさらしたのは俺だった。


    *


神様に愛された人間というのがいる。

才能にあふれ、まるで約束されたかのように表舞台に颯爽と登場し、人々の賛辞と脚光をあびる人間が…。

反対に、神様に愛されない人間というのもいる。

大した才能もないくせに、夢を追いかけ、神様に愛された人間の前で立ちつくすことしかできない憐れで滑稽な人間が…。

俺は一体どっちだったろう?  


    *


時は経ち、大人になった俺のもとにずっと連絡を取っていなかったユウキから一通の手紙が届いた。封を開けると、チケットだけが入っていた。

「あいつの日本公演のチケットなんていらねえよ。簡単に手に入らないプレミアものでも」

誰かに高く売りつけてやろうかと思ったが、結局行くことにしたのは自分の中で踏ん切りをつけたかったのかもしれない。俺はもうピアノに対して、音楽に対して、未練なんて何一つないこと。

「せいぜいお前は神様に愛されてればいいさ」

ユウキの日本公演は大盛況のようだった。会場となる大きなホールは満員で、外もチケットを手に入れられなかった人々で埋め尽くされていた。そんなやつらを尻目に会場に入り、自分の席を見つけ、ユウキのプログラムを確認して驚いた。なんだ、この統一感のないバラバラな曲目は。しいて言えば、難曲をただ並べているだけ。想像して、軽く胸やけを起こした。クラシックの名だたる作曲家たちが泣くぞ。こんなのを俺に聞かせたかったのかよ。でも、ユウキが俺を呼んだのは別にそれらを聞かせるためではなかった。

アンコールの一曲だけだった。

拍手の中、舞台に戻ってきたユウキは昔のまま、はにかんでいた。そのかわらない姿に少し苛立ちを覚えていると、彼は視線を彷徨わせ、一瞬俺と目を合わせたような気がした。そして、何かを呟く。それから椅子に座ると、文字通り髪を振り乱して弾き始めた。

「…なんだよ、これ」

彼のあふれる熱に、俺は容赦なくのみこまれた。

― お兄ちゃん、何してるの? ―
― ピアノを弾いてるんだよ。いい音だろ? ― 
― うん、キラキラしてる ―

お前は、何を弾いてるんだよ。

― ありがとう、嬉しいよ。俺のつくった曲なんだ ―

初めてピアノを教えた日にしかその曲は弾いてないはずだろう?なんで覚えてるんだよ!

― すごい!僕もそれ、やりたい!!―

やめてくれ。クラシックの名だたる作曲家たちが泣くぞ。

― だって、キラキラしてたから ―

 弾く直前、あいつは何かを呟いた。

『 今まできいた中で一番きれいだったから 』

俺は手で顔を覆った。苦笑した。いや、泣き笑いもいいところだった。確かに、俺は神様に愛されなかったのかもしれない。でも…

「神様に愛された人間に、俺はこんなにも愛されていたんだな」

一体、自分は何をこだわっていたというのだろう。

― お兄ちゃん、どうしてピアノを弾かなくなったの? ―

もうどうでもよくなったよ、お前のおかげで。

演奏が終わったら、少年に会いに行こうと思った。
それからピアノの前にもう一度座って、自分の中のメロディに耳をすましてみよう。

いつかまたあいつを導くハーメルンになれるかもしれないから。



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=影響を受けた作品のご紹介=
ここでは上の拙い物語がたぶん影響を受けたんじゃないかと思われる作品をご紹介します。 お時間や興味のある方はどうぞ~。

★ 恩田陸『蜜蜂と遠雷』
★ ドラマ『重版出来』
★ YURI on ICE『Yuri On Ice』

おそすぎかもしれませんが、今年もよろしくお願いいたします。今年、最初の物語はこれになったかーという感じです。なぜ、これになったのか。書きたいものは他にもたくさんあるはずなのに。物語の声に自分がさっぱり追い付けてません。

① 恩田陸『蜜蜂と遠雷』
https://www.amazon.co.jp/%E8%9C%9C%E8%9C%82%E3%81%A8%E9%81%A0%E9%9B%B7-%E5%B9%BB%E5%86%AC%E8%88%8E%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC-%E6%81%A9%E7%94%B0%E9%99%B8-ebook/dp/B01LPWS4X6/ref=sr_1_1?s=dvd&ie=UTF8&qid=1518714687&sr=8-1&keywords=%E8%9C%9C%E8%9C%82%E3%81%A8%E9%81%A0%E9%9B%B7
直木賞受賞、おめでとうございます!恩田ファンは嬉しいです。クラシック知識満載の感動作!

② ドラマ『重版出来』
https://www.amazon.co.jp/%E9%87%8D%E7%89%88%E5%87%BA%E6%9D%A5-DVD-BOX-%E9%BB%92%E6%9C%A8%E8%8F%AF/dp/B01GZPDB4A
一話完結ドラマ。その中で忘れられない物語があって。プロ漫画家になれず、何年も漫画家のアシスタントとして、もがき続ける男(ムロツヨシ)の前に新人漫画家(永山絢斗)が現れます。新人漫画家の才能に打ちのめされ、男はある事件を起こし…。終盤、自分の漫画をはじめて認めてくれたのは誰だったのか。そのことに気づいたムロさんが切ない。

③ YURI on ICE『Yuri On Ice』
http://www.nicovideo.jp/watch/sm30288572
この曲を聞いて生まれた物語。私の中でピアニストになった少年がアンコールで弾いていたのはこのイメージ。このピアノ曲、凄く好きです。恩田さんの『蜜蜂と遠雷』を読んでいた時、名だたる作曲家の名曲ではなく、ずっとこの曲が私の中でなぜか流れていました。(クラシック、詳しくなかっただけか)そう言えば、オリンピック団体のアイスダンスの演技にも使用されていて素敵だったな。


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↓↓【第305夜】 喪服にレモン、少女にはショートケーキを。 ジャンル:友情 ↓↓
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お葬式をしよう、私たちのお葬式を―。


    *


喪服に袖を通す。鏡にうつる見慣れない自分の姿に一瞬立ち尽くした。
目の前にいるのは未だ少女の面影を残す、大人になりきれない自分だ―。

黒は女性を一番美しく見せると教えてくれた友人を思い出す。 

「誰かの受け売りだけどね」

そう笑って付け足したのは確か香澄(かすみ)だ。校則で決められた制服のスカート丈をいつも気にする、お洒落や流行に敏感な子だった。

「へー、それが本当なら喪服が一番女性を輝かせるのね」

シニカルな理子(りこ)がそう返すと、香澄はふくれた。

「なんでそうなるのよ。喪服なんていかにも不幸全開じゃない!」
「そう?私はある意味、素敵だと思うけど。人に助けを求めたり、情に訴えるにはもってこいというか…」
「理子はひねくれてる。そう思うでしょう、えっちゃん?」

香澄と理子が言い合いになると、いつも私の出番だった。

「う~ん。喪服だけじゃ暗いから何か持たせればいいんじゃない、アイテムとか?」

仲裁に入ると言うよりも、話題を微妙にをそらし、問題をうやむやにするのだ。

「は?アイテム!?…でも、喪服に赤いリボンのついたカチューシャでもすれば可愛くなるかな?」
「空飛ぶ魔女にでもなる気?『落ち込んだりもするけれど、私は元気です』って」

頷きかける香澄に、静かにつっこむ理子がおかしかった。私は笑って言った。

「でも、なんかの小説にあったよ。お葬式に喪服を着て、お供えの花がわりにレモンを持っていくの。そんな感じを目指せば?」
「喪服にレモンねえ…」
「確かに黒と黄色のコントラストがいいね!なかなかセンスあるじゃない、それ書いた人!」

自分が誉められたようで、なんだか少しこそばゆかった。

「―ったく、あいかわらず上から発言全開だなあ、香澄は」
「理子に言われたくないんですけど!」
「はあ!?」
「なによ!?」
「まあまあ、香澄も理子もおさえておさえて。あ、そうだ。そういえば、最近みた再放送のドラマで喪服を着たままショートケーキを食べてたのがあったな。死んだのが双子のお姉ちゃんの方で、お葬式と自分たちの誕生日が重なっちゃったから、妹が家族に隠れてこっそり泣きながらショートケーキを食べてた」

ふたりがしんみりとする。

「それ切ないな」
「うん、切ないね」

何気に心根が優しい。彼女たちのそういうところも私は好きだった。不意に香澄が言った。

「こうなったら、やるっきゃないわ!」
「何を?」
「決まってるじゃない、お葬式よ、お葬式!」

突然の彼女の提案に、私と理子はぽかんとした。しばらくしてから、理子が眉を寄せた。

「…えっちゃん、最近私たちのまわりで誰か死んだっけ?」
「ううん。たぶん誰も死んでないから大丈夫だよ、理子。うちは曾おじいちゃんも未だ健在だし」
「それはよかった。…いや、よくないよ!あ、よくないのは曾おじいちゃんがご健在のことじゃなくて、目の前にいる香澄のトンデモ発言なんだけど…香澄、もしかして誰か殺したいのかな?」
「…え、まさか私たちに殺人の片棒を担がせようと…?」
「何、言ってるの、ふたりとも?私は誰も殺さないし、殺させないわよ!そういうことじゃなくて、私はね、お洒落にお葬式をしたいって言ってるの!」

私と理子は顔を見合わせた。…お洒落にお葬式…?

「わかるでしょう?」
「「いや、もっとわからないから!!」」

私たちは声を合わせた。香澄は腕を組む。

「人が死ぬとかじゃなくて、理由はなんでもいいのよ。…そうね。例えば、そろそろ高校も卒業だし、私たちが少女でいられる時間にさようならをする…そのためのお葬式とか、どう?」
「少女でいられる時間にさようなら?なら、処女でも喪失してくれば?あっけなく少女を終了できるよ」
「普通に高校の卒業式じゃダメなのかな?」

理子と私の意見に香澄は首を横に振った。どうも処女喪失も学校の一大行事も彼女の美的センスにはそぐわないらしい。

「ダメ、全然お洒落じゃない!!喪服を着てレモンをそなえたいの!で、最後はショートケーキで献杯!!」
「…ショートケーキで献杯って」
「少女でいられた無垢な時間にみんなで別れを告げるの。高校を卒業したら、みんなバラバラになるんだし…何か思い出にできる、絶対に忘れないようなことをしておきたいじゃない」

最後の方が尻すぼみになる香澄の言葉に胸がちくりと痛んだ。高校を卒業したら、私は地元を離れて京都にある文系の大学へ進む予定だ。理子と香澄は地元に残るけど、理系の大学とファッション系の専門学校で進路が違う。

「もうしょうがないなあ。どうする、えっちゃん?」
「この流れはやるしかないんじゃない、理子?」

香澄の顔がぱっと輝いた。

「じゃあ、決定ね!いつにしようか?やっぱり卒業式の後かな?こっそり学校にお洒落アイテム持ち込まないとね!って、ちょっと聞いてるの?」
「「キイテル、キイテル(棒読み)」」
「喪服にレモン、少女にはショートケーキを。お葬式をしよう、私たちのお葬式を―」


    *


喪服に袖を通す。鏡にうつる見慣れない自分の姿に一瞬立ち尽くした。
目の前にいるのは未だ少女の面影を残す、大人になりきれない自分だ―。

「まさか一人で喪服を着ることになるとはね」

黒は女性を一番美しく見せると教えてくれた友人を思い出す。
でも、彼女たちはもういない。あの頃の少女たちはもうどこにもいないのだ。

「地震のせいで、きちんと卒業式もできなかったしな」

私は大学に通えるアパートを探すため、あの日たまたま京都に来ていた。地元で大きな地震や津波があり、彼女たちが巻き込まれ、亡くなったことを後で知ったのだ。処女喪失でも卒業式でもない、私の少女時代は彼女たちの死によって終わりを告げたように思う。

「さて、そろそろ行かなくちゃ。お葬式をしよう、私たちのお葬式を―」

あの時間は二度と戻ってこないから。あの時間が二度と戻ってこないなら。

お葬式をしよう、私たちのお葬式を―。
喪服にレモン、少女にはショートケーキを。

あのふたりなら、きっと「切ないね」って笑ってくれるだろう。






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=影響を受けた作品のご紹介=
ここでは上の拙い物語がたぶん影響を受けたんじゃないかと思われる作品をご紹介します。 お時間や興味のある方はどうぞ~。

★ チャットモンチー『世界が終わる夜に』
★ 氷室冴子『恋する女たち』
★ ドラマ『すいか』
★ 峰浪りょう『ヒメゴト~十九歳の制服~』

チャットモンチー『世界が終わる夜に』を聞いて生まれた物語です。久しぶりに聞いたら、色々な作品の喪服女子(?)を思い出し、こんな物語になってくれました。

① チャットモンチー『世界が終わる夜に』
https://www.youtube.com/watch?v=G59XstT19K8
チャットモンチーはこの歌が一番好きかも。あ、他にも『ハナノユメ』のオーディエンスがノリノリになってしまう感じや『恋愛スピリッツ』の切なさ全開で始まる楽器の入りも好き。過去にフェスで生で聞けてよかったな。っていうか、これ作曲したの10代だったんだ!
チャットモンチー 『「ハナノユメ」Live 』
https://www.youtube.com/watch?v=7atUby6fpdE&list=PLtQ5pz_Dlq3zyCAjBjganYI_yazBkqduu&index=2
チャットモンチー 『「恋愛スピリッツ」Music Video』
https://www.youtube.com/watch?v=w4rUnPYXReE&list=PLtQ5pz_Dlq3zyCAjBjganYI_yazBkqduu

② 氷室冴子『恋する女たち』
https://www.amazon.co.jp/%E6%81%8B%E3%81%99%E3%82%8B%E5%A5%B3%E3%81%9F%E3%81%A1-%E9%9B%86%E8%8B%B1%E7%A4%BE%E3%82%B3%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B0%B7%E5%AE%A4%E5%86%B4%E5%AD%90-ebook/dp/B00I4H1M9E/ref=sr_1_fkmr0_1?s=books&ie=UTF8&qid=1482600541&sr=1-1-fkmr0&keywords=%E5%AE%A4%E5%86%B4%E5%AD%90%E3%80%8E%E6%81%8B%E3%81%99%E3%82%8B%E5%A5%B3%E3%81%9F%E3%81%A1
絶版のため、本をなかなか手に入れられず、読めたときは嬉しかったー。でも、もう内容うろ覚えですが。たしか物語の中で友人のお葬式に献花がわりにレモンを持っていくというエピソードあって、それがとても素敵だなって。氷室さん本人のお葬式にも、レモンを持っていかれた読者さんが多かったそう。

③ ドラマ『すいか』
https://www.amazon.co.jp/%E3%81%99%E3%81%84%E3%81%8B-DVD-BOX-4%E6%9E%9A%E7%B5%84-%E5%B0%8F%E6%9E%97%E8%81%A1%E7%BE%8E/dp/B0000TXORW/ref=sr_1_cc_1?s=aps&ie=UTF8&qid=1482600697&sr=1-1-catcorr&keywords=%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%80%8E%E3%81%99%E3%81%84%E3%81%8B
ドラマの中で売れない漫画家が双子の姉を偲んで、家の屋根裏で喪服を着たままショートケーキを食べるシーンがあったんです。フォークを使わずに手づかみでがぶりと食べる姿がなんだか切なくて。ちなみに、この時の喪服が魔女の宅急便のキキみたいなかんじで可愛いかった。


④ 峰浪りょう『ヒメゴト~十九歳の制服~』
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%92%E3%83%A1%E3%82%B4%E3%83%88%E3%80%9C%E5%8D%81%E4%B9%9D%E6%AD%B3%E3%81%AE%E5%88%B6%E6%9C%8D%E3%80%9C-1-%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B0%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E5%B3%B0%E6%B5%AA-%E3%82%8A%E3%82%87%E3%81%86/dp/4091837778
衝撃的な作品。自分の性に思い悩む19歳の若者たち。痛くてヒリヒリするけど、最後は笑顔が待っています。成人式に着物は着物でも振袖ではなく、喪服を着ていく女の子がいて世間に中指たてるシーンがあるのですが、そこがお気にいり。



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ボクは幸せが何かを知っているよ。君は知らないのかい?


    *


澄んだ水の流れる音がする。
その流れに身を任せながら、僕はある場所へ向かうんだ。

「やあ、君はまた川の流れに乗って、ここに来てくれたのかい?」

のんびりやのそいつはいつも川で魚釣りをしながら僕を迎えてくれる。そこを大きな蓮の葉にのった僕が流れ行くんだ。

「魚が釣れなくて、とても退屈をしていたんだ。君が来てくれて良かったよ、フィッシュ」
「僕はまた釣れない魚の代わりなのかい?君が僕に付けてくれた名前はイカしてると思うけど、意味が魚ってどうなんだろう」
「どうしたんだい、フィッシュ?」

こいつには、僕の不満が聞こえなかったらしい。無垢な目を向けられ、僕は困ったように笑った。

「なんでもないよ。久しぶり、リバー。本物の魚じゃなくて悪いけど、また僕の蓮の葉を君の竿で釣ってくれるかい?」

僕が手を振ると、リバーは朗らかに笑った。

「いいだろう。こいつは大物だ!」

彼はリバー、向こう岸に住まう者。僕はフィッシュ、川を流れ行く旅人だ。


    *


彼のルアーが僕の蓮の葉をとらえると、僕をのせていたそれはようやくとまった。

「またしばらくここにいられるんだろう?君の旅の話を聞かせてくれないかい、フィッシュ?」
「出たな、ねだりやリバーめ!」

彼は僕の旅の話を小さな子供のようにせがむんだ。

「いいじゃないか、フィッシュ。ボクは君の話が好きなんだ。君の話は実に面白いよ」

そんなことを言われてノーとは言えない。僕はのせられやすいタチなんだ。

「いいだろう。今回は実に危険な旅だったんだ。驚くなよ、リバー?」

僕は彼に聞かせてやった。世界がどぎつい紫色に染まっていったこと。あちこちに火の手があがり、あたりをごうごうと焼きつくしていったこと。人々は罵り合い、殺し合い、僕は見ていて、とてもつらくなったことを―。

「きっと、あれが戦争というやつだったんだろうな」

そして、ついにおかしな閃光が放たれたこと。それから、大きな大きなきのこ雲を見たこと。僕は泣きたくても泣けなくなったこと…。

「フィッシュ、君は巻き込まれなかったのかい?」
「巻き込まれたよ。でも気づいたら、またこの川を蓮の葉にのって流れていた。きっと川辺のどこかにいて、たまたまあった蓮の葉に守られたんだろうな」

僕がそう言うと、リバーが少し哀しげに微笑んだ。

「そうか。それはとても危険な旅だったな。ここで少し休むといい。ボクがいっぱい魚を釣ろうじゃないか。なに、おいしいからって驚くなよ、フィッシュ?」
「それはいい!…でも、君は僕の蓮の葉をとめているせいで、竿もルアーも使えないぞ?」

僕らは顔を見合わせた。

「…そうだった」
「これだからな、リバーは。ぬけてて、実に面白い!」

僕らは笑った。会えなかった時間を埋めるように、たくさんたくさん笑った。


    *


僕はしばらくこの川で過ごした。

向こう岸にいるリバー。川の中を大きな蓮の葉にのっている僕。不思議なことに、僕はそこから動くことができなかった。そこから出ることができなかった。どうしても向こう岸にいくことができなかったんだ。僕は彼の姿を見ることはできても、触れることはできない。声をきくことができても、隣りで囁き合うことはできない。なぜだろうといつも思う。でも、こういうものなんだろうともいつも思う。

「きっとリバーと僕では、住む世界が違うんだね」
「そうだね、フィッシュ。でも、ボクはこの状況をそんなに悪く思っていないよ。こうして君と、ときどき会えるじゃないか?」
「そうだけど…」

君と過ごすこの川の時間はとても心地いいんだ。僕は君と離れたくないんだよ。君は 違うの?

「フィッシュ、ボクは幸せが何かを知っているよ。君は知らないのかい?」

僕がさびしそうな顔をしていたんだろう。リバーが朗らかに笑った。

「何も誰かとずっと一緒にいることが幸せじゃない。たとえ遠く離れていても、誰かをずっとおもえることがボクの幸せなんだよ、フィッシュ」

僕は目をこすった。目が真っ赤になるまで強くこすった。

「……僕もそうだよ、リバー」
「ボクはここで一人で暮らしているけど、さびしくないよ。君がときどき会いにきてくれるからね!」

リバーが竿に手を伸ばした。

「行っておいで、フィッシュ。ボクは待っているから。川を流れて、またここに遊びにおいで。君の旅の話をボクに聞かせてくれないかい?」

ルアーが離れ、蓮の葉がゆっくりと動き出した。

「リバー、僕はまたここに来るよ!絶対絶対、君に会いに来るよ!」

僕は彼が見えなくなるまで、大きく手を振った。

「また会おう!」


   *


澄んだ水の流れる音がする。
その流れに身を任せながら、僕はある場所へ向かうんだ。大好きな君に会いに行くんだ。

「大物がきたな!」

僕が手を振ると、リバーは朗らかに笑った。



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=影響を受けた作品のご紹介=
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★ 白鳥マイカ『線』 × 誰かが作った「ムーミン」MAD 

いつか書こうと思って忘れられていた物語。この音楽を聞いて思い出しました。この物語のタイトルは最初『線』(まんまでした)だったのですが、私は『~フィッシュ』ってタイトル作品がけっこう好きで、(吉田秋生『BANANA FISH』とか洋画『BigFish』『ソードフィッシュ』とか)それらにあやかって(?)こんなタイトルになりました。あと、全然関係ないかもしれないけど、リバー・フェニックスも好きだし。

① 白鳥マイカ『線』 × 誰かが作った「ムーミン」MAD 
http://nicotter.net/watch/sm8936337
ムーミンにハマっていた時に出会ったMADです。音楽も映像もいい感じで、この物語が生まれました。このMADも素敵ですが、音楽にあう映像をのせてPVやMADつくる人って本当すごいなあ。そのセンス、どうなってんの!?私は物語が書けるより、こういうのがデキるようになりたかったなあ。あと、映画の予告編つくりとか。ワクワクする!


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